最近、ドナルド・トランプ米大統領による関税政策の発表を受けて、「自分の資金にも影響が出るのでは…」と不安を感じている投資家の方も多いのではないでしょうか。
過去にも関税政策は、市場の動きに大きな影響を与えてきました。特に米国株を中心に資産を運用している方にとっては、「また市場が荒れるのでは」「今後の資産運用は大丈夫なのだろうか」と落ち着かない状況かもしれません。
実際、2025年4月の発表以降、株価や為替は大きく乱高下しており、すでに保有資産の評価額が目減りしている方もいるでしょう。
こうした不透明な状況の中で、いま改めて注目されているのが、値動きに振り回されにくい安定型の資産です。
本記事では、トランプ関税が投資環境に与える影響を整理したうえで、関税や為替の影響を受けにくい投資手法のひとつとして注目される「不動産クラウドファンディング」について、そのメリット・注意点をわかりやすく解説します。
・トランプ関税の概要と日本や投資家に与える影響
・値動きに影響されやすい資産と影響されにくい資産
・不動産クラウドファンディングのメリットと注意点
トランプ関税とは?投資家がおさえておきたい基本と影響

そもそも「トランプ関税」とは、どのような政策で、なぜここまで市場が反応しているのでしょうか。ここでは、トランプ関税がここまで注目されている理由について、発表の簡単な概要や、日本と市場に与える影響について解説していきます。
トランプ関税の概要
トランプ関税とは、アメリカの貿易赤字を削減し、国内産業を保護することを目的として、2025年4月にドナルド・トランプ米大統領が打ち出した新たな関税政策です。この政策では、アメリカが輸入するすべての製品に対して、一律10%の基本関税を課すとともに、特定の国に対してはさらに高い相互関税が適用される仕組みとなっています。
日本に対しては、24%の関税が課されることが表明されています。
日本経済と市場に与える影響
仮にこの方針が実行されれば、日本の輸出コストは大幅に上昇し、自動車産業をはじめとする輸出中心型の企業や中小企業の収益にも深刻な影響を与える可能性があります。また、国内の経済成長にとっても減速の要因にもなることが懸念されます。
一方、アメリカ国内では物価上昇(インフレ)が進行するという見方もあります。世界経済の中心であるアメリカの消費活動が鈍れば、日本を含めた各国の経済、さらには私たちの家計にも影響が及ぶことが想定されます。
また、今回のトランプ関税の発表を受け、株式市場や為替相場は敏感に反応しました。
例えば、報道直後の米国市場では、S&P500やナスダックが1日で10%近く乱高下し、翌日には急落。わずか数日で急騰と急落が繰り返される、予測の難しい不安定な相場環境となりました。
このように、トランプ氏の発表は、すでに世界の金融市場に影響を与え始めています。日本にとっても、貿易・為替・株式市場など幅広い領域で不安定要因となっており、「いまの資産配分で本当に大丈夫か?」と、見直しを考える投資家も少なくありません。
日本の投資家はどんな影響を受ける?注目の資産とリスク

トランプ関税の発表を受け、投資家の間では「どの資産がどれだけ影響を受けるのか」という視点での見直しが始まっています。すでに株価の急落を体験した方もいれば、為替の動きに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、関税や為替などの外部環境の影響を受けやすい資産と、比較的影響を受けにくい資産を整理していきます。
影響を受けやすい投資
①米国株(とくに輸出・製造業関連)
米国株は、今回のようなアメリカ発の経済政策や政治動向に直接的に反応する資産です。特にハイテク株やグロース株は価格変動幅が大きく、発言ひとつで数%以上の値動きを見せることも珍しくありません。
②半導体関連株
半導体は、米中の貿易戦争や輸出規制、関税強化のたびに値動きが大きくなる分野です。
特に、台湾や韓国、中国との製品づくりのつながりに頼っている企業が多く、トランプ政権の関税政策は世界的な需給バランスに影響を与えるため、敏感に反応します。
③為替関連商品(外貨建て債券、FX、米国ETFなど)
トランプ関税の発表によって、アメリカ国内のインフレ懸念や景気後退リスクが高まると、投資家がより安心できる資産にお金を移そうとする動きが強まります。このような状況では、円高になりやすい傾向があります。
円高が進むと、ドル建ての資産(外貨建て債券など)は評価額が目減りしてしまうため、外貨建てを多く保有している投資家にとっては注意が必要です。
影響を受けにくい投資
①J-REIT(日本国内の不動産投資信託)
J-REITは、日本国内の不動産に投資する仕組みで、収益の多くは賃貸収益(インカムゲイン)のため、為替の変動や海外の政策といった短期的なニュースの影響を受けにくいという特性があります。
とくに住宅やオフィスなど、国内の安定的な需要を背景にしたJ-REITは、関税などの国際的なニュースで大きく値動きすることはあまりありません。
②不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、国内の特定物件に少額から投資できるサービスで、J-REITと同様に価格が毎日変動する仕組みではないため、為替の変動や海外の政策の影響を受けにくい投資手法です。
また、J-REITよりもさらに国内完結型の運用に近く、対象物件も運用や分配もすべて円建てで行われるため、為替リスクや貿易摩擦の影響が小さいのが特徴です。
③国内債券・個人向け国債など
日本政府や国内企業が発行する債券も、海外の情勢や為替の影響を比較的受けにくい資産です。価格変動が少なく、資産を守る目的として活用されることが多い低リスクの資産です。
ただし、リターンも控えめであるため、インフレが進んだ場面には実質的な価値が目減りする可能性がある点には注意が必要です。
トランプ関税の発表を受けて、米国株や為替関連資産など、世界経済に連動する資産は短期的に大きく値動きしやすい状況になっています。
一方で、日本国内を基盤とした円建てで安定収入を目指す資産は、相対的に落ち着いた運用が期待できる選択肢として注目されています。

「どんな資産を持っているか」で、受ける影響が大きく変わります。すべてのリスクを完全に避けることは難しくても、政治や世界情勢に左右されにくい資産をポートフォリオに組み入れることは、安定した資産運用への第一歩となるでしょう。
不動産は関税に強い?


トランプ関税の影響が広がる中、「どんな資産ならこの先も安定して持てるのか」を考える投資家が増えています。そんな中で注目されているのが、「不動産」という実物資産です。
ここでは、不動産がなぜ関税や為替などの外部要因に強いのか、その理由と特性を整理していきます。
不動産が関税の影響を受けない理由
不動産は、株や為替のように日々のニュースや海外の政策によって価格が大きく変動するものではありません。その価値は、主に物件の場所・建物の状態・周辺の需要などによって決まります。つまり、関税のような国際的な貿易ルールの変更や、他国の外交政策といったグローバルな影響を受けにくい資産です。
特に、日本国内の不動産は、円建てで価値が測られ、地元の需要に基づいて価値が維持されるため、今回のような関税政策の影響は受けにくくなっています。
実物投資としての価値とインフレ耐性
不動産のもう一つの強みは、「実物資産」であることです。
株式や債券とは異なり、実際に存在するモノとしての価値があるため、インフレ時にも強い傾向があり、物価上昇時にも価値が下がりにくいとされています。
これは、通貨の価値が不安定になりがちな時代において、「持っているだけで安心できる」資産を求める人に選ばれる理由のひとつでもあります。
※海外の情勢や為替の影響で直接価格が大きく動くことは少ないものの、経済全体の流れによって中長期的な影響を受ける可能性があります。
不動産は、政治や国際情勢の影響を受けにくく、国内の需要と円建ての仕組みに支えられた安定型の実物資産です。関税や為替といった外部の揺らぎに左右されない投資先として注目されています。
不動産クラウドファンディングはなぜ注目されるの?


不動産投資が「安定性のある資産」として注目を集める中で、近年急速に存在感を高めているのが「不動産クラウドファンディング」です。これまで、不動産投資は多額の資産が必要というイメージがあった中で、なぜこの新しい形の投資手法が投資家の方々から注目を集めているのでしょうか。
ここでは、政治・経済の不確実性が高まる今だからこそ選ばれる理由を見ていきましょう。
為替や世界情勢に強い
不動産クラウドファンディングは、基本的に日本国内の物件に対して、円建てで投資を行う仕組みです。そのため、為替の変動やトランプ関税のような貿易・外交リスクとは距離のある投資手法といえます。
また、投資対象となる物件の多くは、住宅・マンション・オフィスなど海外の景気や影響に左右されにくい、日本国内の需要で価値が保たれる資産が中心です。株価や為替が大きく動いても、不動産クラウドファンディングの投資先が直接影響を受けることは、ほとんどありません。
日々のニュースで資産価値が揺れるような不安定な状況が続く中、こうした国内完結型・円建て運用の仕組みは、多くの投資家にとって安心できる選択肢となるでしょう。
小口投資・管理不要
不動産投資というと、「まとまった資金が必要そう」「手間がかかって大変そう」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし、不動産クラウドファンディングはそのような投資のハードルを下げてくれる仕組みです。
① 1口1~10万円といった少額から投資可能
② スマホ1台で完結!
③ 物件の選定・運用・管理はすべて事業者が行う
投資家は配当金を待つのみ!



不動産クラウドファンディングは、「為替や海外情勢の影響を受けにくい」「少額から参加できる」「管理不要で気軽」などの理由から、不安定な時代でも落ち着いて資産を育てていきたいと考える人にぴったりの投資手法です。
投資前に知っておきたい不動産クラウドファンディングの注意点


不動産クラウドファンディングは、少額から手軽に始められて、為替の変動や海外の情勢リスクにも左右されにくい、安定志向の投資手法として注目されています。
しかし、どんな投資にもリスクはつきものです。安心して取り組むためには、事前に想定できるリスクを正しく理解することが大切です。
ここでは、不動産クラウドファンディングを始める前に知っておきたい注意点を3つに絞って解説します。
元本保証がない
不動産クラウドファンディングは、あくまで投資であり、元本が保証されているわけではありません。
たとえば、物件の売却価格が想定を下回ったり、空室が長引いたりした場合、元本割れ(投資額を下回る回収)が発生する可能性もあります。
そこで導入されているのが「優先劣後構造」というリスク軽減の仕組みです。これは、万が一損失が出た場合に、まずは事業者側(劣後出資者)が損失を負担することで、投資家の元本が守られやすくなる仕組みです。
この優先劣後出資制度を採用しているファンドを選ぶことで、元本割れリスクを抑える対策のひとつとなります。
運営会社の実績や信頼性が重要
不動産クラウドファンディングでは、物件の選定から運用・管理・配当まで、すべてを運用会社が行います。そのため、どの会社が運営しているかが、投資成果を大きく左右するポイントになるのです。
特にチェックしてほしいポイント
元本割れ・配当遅延の有無
資本金はどのくらいか



どうやってチェックすればいいの?



これらは、公式サイトなどで確認できることが多いです。信頼できる事業者かどうかをしっかり見極めたうえで、投資判断を行いましょう。
途中解約不可
不動産クラウドファンディングの多くは、運用期間中の途中解約が原則としてできません。一度投資をすると、運用終了まで資金を引き出すことができないのです。
そのため、急に現金が必要になった場合に自由に引き出すことができないため、急な出費や生活資金に充てる資金は使わず、余裕資金で運用するようにしましょう。
関税や世界の動きに振り回されずに投資を続けるために


トランプ関税をきっかけに、株式や為替が大きく動き、投資環境はますます不安定になっています。こうしたなか、「ニュースを見るたびに不安になる」「値動きが激しくて疲れる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな時こそ、自分の資産運用における守りの考え方を持ち、外部の影響にできるだけ左右されにくい資産のバランスを見直してみましょう。
守りの資産をポートフォリオにもつ発想
資産運用というと、できるだけ高い利回りを狙いたいと考える方が多いかもしれません。しかし、現在のような相場が不安定な状況では、いかに安定させるかという視点も欠かせません。
たとえば、不動産クラウドファンディングやJ-REITなどは、日々の相場に左右されにくく円建てで完結し、安定収入をベースに分配されるといった特性を持っています。こうした点から、守りの資産としてポートフォリオに取り入れられるケースも増えています。
価格変動の大きい資産と、ゆるやかに成長する資産をバランスよく組み合わせることが、これからの時代に合った無理のない運用スタイルといえるでしょう。
リスクの種類を分散する重要性
分散投資というと、「さまざまな資産に投資すること」と考えられがちですが、本質的には「リスクの種類を分けておくこと」が重要です。
例えば、以下のようにそれぞれの資産は異なる外部要因で価格が動きます。
投資手法 | リスク |
米国株 | アメリカの経済政策、為替、金利などに影響 |
金・原油 | 地政学リスク、供給不足、世界経済の不安感などに影響 |
J-REIT、不動産クラウドファンディング | 国内金利や賃貸需要、不動産市場に影響 |
国内債券・個人向け国債 | 景気動向や金利、金融政策に影響 |
このように、それぞれ異なる外部要因で値動きすることがわかります。
つまり、すべての資産が同じ方向に動いてしまうリスクを避けることが、資産防衛の最大のポイントです。



不動産クラウドファンディングのような、別方向に動く資産を持つことは、リスク分散の上でも有力な選択肢でしょう。
揺るがない投資先としての不動産クラウドファンディング


トランプ関税の発表をきっかけに、株式市場や為替相場は大きく揺れ、「これからの資産運用、本当に大丈夫だろうか」と不安を感じる投資家も増えています。
こうした不確実性の高い時代だからこそ、外部の影響を受けにくい守りの資産をポートフォリオに加えるという視点がますます重要になってきています。
そんな中、おすすめしたいのが、不動産クラウドファンディングという投資手法です。
少額から始められて、日々の値動きに振り回されにくい点や、関税や為替の影響を受けにくい「国内完結型」の仕組みによって、安定性と手軽さを両立した投資先として注目が高まっています。もちろん、投資である以上リスクはゼロではありませんが、特性や仕組みをしっかり理解した上で取り組めば、政治や経済のニュースに振り回されない、安定した資産として活用することができます。
大切なのは、完璧な投資先を探すことではなく、自分の目的やリスク許容度に合った「安心できる選択肢」を見つけることです。
もし今、「今の資産運用に少し不安を感じている」「長期的に安定した運用を目指したい」と考えている方は、まずは少額から、不動産クラウドファンディングに挑戦してみるのはいかがでしょうか。