【初心者向け】不動産クラウドファンディングの仕組みや始め方を解説!

不動産クラウドファンディングの仕組みと始め方

少額から手軽に投資を始めることができ、かつインターネット上の電子手続きのみでほぼ完結する不動産クラウドファンディングは、投資初心者の方からも注目を集めています。
不動産クラウドファンディングの資産運用に興味を持って調べている方のために、本記事では、不動産クラウドファンディングの仕組みや始め方などの基本的な情報を解説します。 

目次

少額から始められ、ネット上で完結するお手軽な不動産投資

複数の人々、お金とPCを操作する人のイラスト

不動産クラウドファンディングは、特定の不動産に対し、複数の人が共同して出資する不動産投資の方法です。2017年に不動産特定共同事業法が改正され、小規模不動産特定共同事業の創設とクラウドファンディングの環境が整い法的に認められたことで、近年事業者数も増え、投資家からも注目されるようになりました。

不動産クラウドファンディングの魅力は、一般的な不動産投資と比較して、投資金額を少額から始められることです。案件によって異なりますが、1万円~10万円ほどの単位で投資できるため、初期投資のハードルが低くなりました。また、ネット上で取引が完結できることや、不動産運用の手間が省けること、ローリスク・ミドルリターンが期待できることなども不動産クラウドファンディングのメリットです。

投資案件の閲覧、登録から出資・払い戻しまでインターネット上で完結

不動産クラウドファンディングが手軽に始められるのは、少額投資が可能なだけでなく、全ての手続きをオンライン上で完結できることも大きな特徴です。投資する不動産の案件内容をWebサイトで閲覧することはもちろん、事業者が提供するサービスへの登録、出資の申し込み、出資金の振り込み、配当金の分配や出資金の払い戻しに至るまで、インターネットを利用して行うことができます。

ただし、申し込み方法によっては、本人確認のためのはがきを郵送で受け取るなど、一部郵送が必要な手続きもあります。インターネットの利用のみで完結したい場合は、申し込み方法も詳しく確認してみましょう。

細かな運用面をすべて事業者に任せられる

一般的な不動産投資の場合、運用前に売買契約を結ぶなどの事務手続きがあるほか、利益を得るためにはさまざまな面で運用の質がポイントとなります。不動産に投資をしても、管理や運用が不十分では目的とする利益を得ることが難しくなるでしょう。不動産の管理については、全てを自分で行う方法もあれば、管理会社に委託する方法などもありますが、いずれにしても空室対策を含め多くの事柄を常に検討する必要があります。

不動産クラウドファンディングでは、このような運用や管理のさまざまな作業を全て事業者に一任することができます。不動産に投資をした後は、基本的に何もせず待っているだけで利益獲得が狙えることも、不動産クラウドファンディングが手軽に投資できるといわれる理由です。

ローリスク・ミドルリターンの投資案件を選びやすい

不動産投資には、空室や家賃滞納、修繕、家賃や不動産価値の下落、自然災害といった、さまざまなリスクがあります。そのため、場合によってはハイリスク・ローリターンの投資になる可能性もあるでしょう。ローリスク・ミドルリターンを狙うためには、まずこのようなリスクをできるだけ減らすことがポイントです。

不動産クラウドファンディングは、少額で分散型の投資ができることから、投資によるリスクも分散することが可能です。また、出資について投資家が優先、事業者が劣後といった「優先劣後方式」を採用する事業者が多く、この方式の場合、損失の範囲が劣後出資の範囲内であれば、投資家の元本は保たれます。このような環境によって、不動産クラウドファンディングは、ローリスク・ミドルリターンの投資案件を選びやすいと言えるでしょう。

不動産クラウドファンディングの仕組み

電卓の上の家の模型

不動産クラウドファンディングは、従来の不動産投資とはまた違う新しいスタイルの投資方法として利用が広まっています。「J-REIT」「不動産小口化商品」「ソーシャルレンディング」などの投資方法と似ている部分もありますが、これらとはまた違う特徴があるため、まずは仕組みから理解していきましょう。

特定認可を受けた事業者が、さまざまな不動産事業案件を公開し出資を募っている

不動産を小口化して投資を募る方法は以前からあったものの、不動産価格の急な下落によって投資家が大きな損失を被ったケースがありました。その後、投資家の保護を目的に「不動産特定共同事業法」が施行され、改正によって不動産クラウドファンディングも可能になったのです。

不動産クラウドファンディングを行う事業者は、不動産特定共同事業法のもとで登録制となっており、許可を取得しなければサービスを提供できません。これによって、提供できる事業者がある程度限定されるため、利用者の安心感につながっています。

近年、不動産クラウドファンディングは人気を集め、さまざまな事業者が案件を公開し出資を募っています。そのため、国土交通省では「クラウドファンディングを活用した不動産特定共同事業に係る実務手引書(※1)」を公表するなど、投資家保護の観点での環境整備も進んでいます。

※1 参照:国土交通省「クラウドファンディングを活用した不動産特定共同事業に係る実務手引書」

不動産の管理・運用を事業者が行いつつ、成果によって出資者へ利益を還元

不動産クラウドファンディングも、不動産物件の賃貸や売却で利益を得るという点では一般的な不動産投資と変わりません。不動産クラウドファンディングの仕組みでは、多数の投資家から少しずつ資金を集めることと、物件との間に事業者が入って不動産の管理や運用を行うところが特徴です。

投資家としては、運営会社である事業者とのやり取りが主になります。まず事業者選びを行い登録をした後は、事業者が提供するファンドの中からお好みの投資先を選び出資します。不動産の管理や運用の業務は事業者が間に入って行うため、投資家は基本的に運用期間が終了するまで待つだけです。運用期間が終了すると、成果によって利益が還元されます。

場合によって延長したり短縮されたりすることがありますが、不動産クラウドファンディングの運用期間は数ヶ月から数年と基本的に短く設定されているのが特徴です。また、ファンドによりますが、多くの場合中途解約や運用中の退会などはできません。このような点からも、投資家は「出資したら待つのみ」というスタンスになると言えるでしょう。

「利回り」と「配当額」

不動産クラウドファンディングは上記で解説したように、運用期間が1年を満たないファンドも多くあります。利回りは年率をベースに計算され、運用期間が短いと利益もその分少なくなるため、利回りの計算を把握しておくと配当額の目安として参考になるでしょう。

まず、利回り(年利)の計算式は下記のようになります。

利回り(%) = 1年間の利益 ÷ 投資額 ×100

運用期間が1年に満たない場合は、運用期間に合わせて配当額を計算することが必要です。

配当額の計算式は下記のようになります。

配当額 = 投資額 × 利回り(%)÷ 365 × 運用日数

例えば、想定される利回りが3%のファンドに10万円を投資して、運用期間が180日間だった場合の配当額は下記のようになります。

・10万円 × 3% ÷ 365 × 180日 = 約1479円

分配金については、例えば「匿名組合型」の場合、源泉徴収税20.42%が引かれた金額となるため、税金も含めて計算しておくと実質的な利益を把握できるでしょう。 投資金である元本については、運用期間が終了した際に償還される仕組みですが、元本は保証されているわけではありません。不動産売却時に損失が発生するなど、場合によっては元本割れするリスクがあることも知っておきましょう。

実物不動産投資と違い、幅広い投資先へ少額から参加できる

一般的に知られる実物不動産投資は、多額の資金が必要になり購入できる物件もある程度限られますが、少額から参加できる不動産クラウドファンディングでは、投資先も幅広い視野で探すことが可能です。マンションなどの住居だけでなく、スーパーやホテルなど、さまざまな選択肢が見つかります。

このように幅広い投資先へ少額から参加できることは、資金を分散して投資する楽しみだけでなく、リスクの分散にも役立ちます。

不動産クラウドファンディングの始め方

コインを差し出す手と手のひらに家を乗せたイラスト

不動産クラウドファンディングは、まずサービスを提供している事業者選びから始めましょう。事業者ごとに詳細は異なるため、投資の基礎知識を身に付けながら、事業者自体のリサーチを十分に行っておくことも大切です。

不動産クラウドファンディングの事業者を選ぶ

不動産投資では、マンションやアパート、戸建てなど、居住用物件への投資のイメージが強いこともありますが、不動産クラウドファンディングの投資先対象は、居住用だけでなく多岐に渡っています。商業ビルやリゾート物件、宿泊施設、保育施設などさまざまにあり、将来性や地域との親和性などを自分で検討しながら選べるのも魅力のひとつです。しかし、これらは事業者によって取り扱う内容が異なるため、事業者選びでは取り扱うファンド一覧なども参考に、投資したい不動産のある事業者を探しましょう。

また、事業者を選ぶ際には、サービス内容や会社自体の情報もよく確認することが大切です。自身が無理なく投資できるように、最小投資金額や優先劣後比率もチェックしてみましょう。不動産クラウドファンディングのリスクでは、事業者の倒産も挙げられるため、事業者自体の経営状況が安定しているかどうかも確認しておくと役立ちます。

不動産クラウドファンディングでは、不動産の管理や運用を事業者が行うため、安心して任せられるかどうかも検討のポイントです。

事業者ごとの登録方法・開始方法を確認する

気になる事業者を見つけたら、登録方法や投資の開始方法も確認しましょう。投資を行うには、不動産クラウドファンディングの事業者が定めた方法で会員登録や口座開設をする必要があります。会員登録には、年齢制限や居住地国、マイナンバー所持の有無といった条件が設けられているため、予め確認しておくと良いでしょう。

また、会員登録にあたっては、必要書類を準備し提出しなければなりません。多くの場合はオンライン上のみで完結できるものの、本人確認や審査などがあり、登録が完了して投資が開始できるまでにはある程度の日数がかかるため、余裕を持って取り掛かるのがおすすめです。

登録・口座開設のうえ、投資する案件を選定する

事業者への会員登録や口座開設が完了したら、投資したい案件を選定しましょう。事業者のホームページや配布資料などにあるファンド一覧で投資可能な案件がわかりやすく整理されているため、大まかな情報で気になる案件を見つけたら、個々の詳細を読んで検討します。1口あたりの出資単位や運用期間、利回りなどを確認して、希望に合うものを選びましょう。募集方式は、先着式と抽選式があります。

また、ファンドの種別も確認項目のひとつです。不動産クラウドファンディングの商品は、「匿名組合型」と「任意組合型」の2種類があります。「匿名組合型」は、投資期間が数ヶ月からと短期で、事業者が物件を所有するため不動産の所有権はありません。それに対して「任意組合型」は、数年の投資期間で中長期の運用が可能な場合があり、不動産の所有権を投資家で共同所有することができますが、不動産の所得税も必要になります。

初心者におすすめの不動産クラウドファンディングの特徴

インやロケットのイラストを描く手とSrart Upの文字

不動産クラウドファンディングは手軽に始めることができますが、他の投資と同じくリスクやデメリットもあります。投資に慣れないうちはできるだけリスクの少ない方法を検討することも大切です。ここでは、初心者におすすめの不動産クラウドファンディングの特徴を簡単に解説します。

案件の供給数が安定している

不動産クラウドファンディングは、案件数が少ないと、他の投資者との奪い合いになり、特に先着式の場合は時間との勝負になるため慎重に検討することが難しくなります。加えて、新規募集される頻度が安定していないと、こまめにチェックしても自分が望んでいる条件や内容の投資が見つかりにくいでしょう。そのため、時間をかけて慎重に検討できる、案件の供給数が多くて安定している事業者を選ぶのがおすすめです。

基本情報だけでなく、不動産の外観や想定収支、リスクなど具体的な案件情報を開示している

不動産投資では、基本情報だけでなく、建物の外観や立地、築年数などの詳細を把握して不動産の資産価値を考えることが役立ちます。これらの情報のほか、想定収支や分配金の内訳、優先劣後比率、リスクなど、投資の検討に必要な案件情報が開示されているものを選ぶと、自分に合う投資先を見つけやすくなるでしょう。

投資者の手間がかからない「匿名組合方式」が選べる

匿名組合型は分配金が源泉徴収されるため、雑所得の合計が20万円以下の場合は納税や確定申告の手間がかからないことから、初心者の方でも投資後の手続きがわかりやすいでしょう。また、任意組合型は損失があった場合に出資額以上の責任を負う可能性があるのに対して、匿名組合型は責任の限度が出資額までにとどまることも、匿名組合方式が選べる案件をおすすめする理由のひとつです。

景気に左右されにくい「居住用不動産」に投資できる

不動産クラウドファンディングは、利回りが高いからといって必ずしも収益性が上がるとは言えず、利回りが高いほどリスクも伴う場合があります。ホテルや民泊などの宿泊施設、商業施設などは、高い利回りが期待できる一方で、景気の動向や世界情勢といった不測の事態で需要が大きく左右されるため、リスクも高くなるでしょう。人がいる限り必ず一定の需要があり、利回りが比較的安定している居住用不動産の案件の方が、初心者におすすめです。

不動産クラウドファンディングは投資初心者にもぴったりの選択肢

不動産クラウドファンディングは、一般的な収入の範囲でも投資できる方法のひとつです。自宅にいながらオンライン上で全てを行えることもあり、初心者の方でも始めやすいでしょう。投資家デビューを考えている方はぜひ、気になる案件を探してみてください。

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