「ワンルームマンション投資って、サラリーマンの自分にも本当にできるの?」
将来の資産形成を考えるなかで、そんな疑問を抱えながらこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
最近では、会社員という信用力を活かしてローンを組み、資産形成の一環として不動産投資を始めるサラリーマンも増えてきました。なかでも比較的始めやすいとされているのが「ワンルームマンション投資」です。初期費用を抑えられ、家賃収入を得ながら長期的に資産を築ける手法として注目されています。
一方で、「節税になると聞いて始めたのに思ったより赤字だった」「空室や管理の手間で思ったより大変だった」という声も少なくありません。ネット検索をすれば、「やめとけ」「危ない」といったネガティブな意見が並ぶのも事実です。
そこで本記事では、サラリーマンがワンルームマンション投資をするメリット・リスクを整理しながら、「成功する人」と「後悔する人」の違いを解説します。さらに、自分に向いているかどうかを見極めるための判断ポイントや、もっと手軽に始めることのできる不動産投資についても紹介します。
「不動産投資には興味があるけど、自分にできるのか不安」
「できるだけリスクを抑えながら資産形成をしたい」
そんな方にとって、納得のいく選択をするための第一歩となるはずですのでぜひ最後までご覧ください。
- サラリーマンからワンルームマンション投資が注目されている理由と落とし穴
- 成功する人に共通する考え方や準備ポイント
- 自分に向いているか判断するための4つの視点
- 少額・低リスクで始められる他の投資手法
なぜ今サラリーマンにワンルームマンション投資が注目されているのか

近年、資産形成の手段として、「ワンルームマンション投資」がサラリーマンから注目を集めています。なぜ、数ある選択肢からワンルームマンション投資が注目を集めているのでしょうか。
その背景には、ローンを組みやすい「サラリーマンならではの信用力」と、将来に備える手段としての「不動産という現物資産」という2つの大きなポイントがあります。
なぜサラリーマンの「信用力」は投資に有利なの?
ワンルームマンション投資を始める際、多くの場合は金融機関からの融資、つまりローンを利用することになります。このローン審査において、サラリーマンの「信用力」は非常に大きな武器となります。さらに、上場企業や公務員など、安定した組織に長年勤務し、ある程度の年収を得ているサラリーマンは、自営業者やフリーランスと比較して、この「信用力」が高いとされやすいのです。
このように、サラリーマンとしての立場を活かして融資を引ける今こそ、将来の資産形成を始めるチャンスです。
「いつかはやろう」と思っているうちに、融資を受けられなくなっていた…という後悔の声を聞くことがあります。サラリーマンという立場を活かせる「今」は重要なタイミングなのです。
将来不安を備える選択肢として
投資を始める理由としてよく挙がるのが、「将来への不安」です。
- 老後2000万円問題:年金だけでは老後の生活費が不足するといわれている
- 終身雇用制度の崩壊:かつてのような安定した雇用が保証されにくくなっている
- 物価上昇(インフレ):現金の価値が目減りするリスクがある
- 子どもの教育費の増大:大学進学費用など、子育てにかかる費用は年々増加傾向にある
こうした背景から、「今のうちに資産を築いておきたい」と考えているサラリーマンが増えているのです。
NISAやiDeCoといった税制優遇のある制度は確かに有効ですが、あくまでも金融資産への投資になります。タイミングによっては値動きが大きく、リターンにばらつきが出るという側面もあります。
そこで注目されているのが、「現物資産」である不動産投資です。たとえばワンルームマンションは、物価が上がれば家賃も上がる傾向があるため、インフレ対策として有効と考えられています。
さらに、多くの金融機関では、住宅ローンや投資用ローンに団体信用生命保険(団信)が付帯されることが一般的です。つまり、もしものときにローンの残債がゼロになり、家族に物件という形で資産を残せるケースもあります。
※加入条件や内容は金融機関ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
リスクを分散し、家族を守りながら資産を築いていく手段として、現物資産への分散投資は今後ますます重要になるでしょう。
こうした理由から、「NISAや株はやっているけど、それだけでは不安」「現物資産ももっておきたい」という人たちが、ワンルームマンション投資を検討する傾向が強まっているのです。
投資する前に知っておきたい!サラリーマン投資家の落とし穴とは?

ワンルームマンション投資は、堅実な資産形成が期待できる一方で、すべての人にとって安定して儲かる投資とは限りません。特にサラリーマンの場合、時間や知識の制約があることから、見落としやすいポイントがいくつかあります。
ここでは、投資を始める前に知っておきたい「落とし穴」を4つ紹介します。
給与収入頼みでの「楽観的な資金計画」
サラリーマンがワンルームマンション投資を始める際、「毎月の家賃収入でローンが返せるから大丈夫」とつい思ってしまいます。しかし実際には、家賃収入だけで完璧に黒字を保つのは簡単ではありません。
たとえば、以下のような費用がかかります。
- 管理費・修繕積立金
- 管理会社への委託手数料
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険料
これらを含めた本当の収支を配慮せずに「月々プラスになるはず」と計算してしまうのは危険です。
また、築年数が経つほどに修繕費が増える可能性もあり、数年単位でのシュミレーションが不可欠です。
「手間がかからない」は本当?忙しいサラリーマンが見落としがちな点
ワンルームマンション投資と聞くと、「管理会社に任せれば、自分は何もしなくていい」と思われがちですが、それは誤解です。
管理会社を通していても、次のような場面でオーナーの確認や判断が必要になります。
- 入居者のトラブル報告への対応や判断
- 空室時の募集や家賃設定
- 修繕が必要になった場合の業者選定・見積もり確認
- 管理会社との定期的なやり取り・契約更新など
本業の合間にこうした対応をするのは、時間的・精神的な負担になります。
「手間がかからない」と聞いていたのに、思ったよりも自分でやることが多かった…と後悔するケースも少なくありません。
信頼できる管理会社の選定も含め、「どこまで任せて、どこまで自分で判断するか」を事前に把握しておくことが重要です。
節税になるという言葉だけを信じる危うさ
「不動産投資は節税になる」という言葉を耳にして興味を持つかたも多いかもしれません。たしかに、減価償却やローン利息などの経費に計上することで、不動産所得が一時的に赤字となり、給与所得と損益通算できる場合があります。
これにより、所得税や住民税が一時的に軽減され「節税できた」と感じる人も少なくありません。
しかし、この節税効果は永続的なものではありません。
例えば、減価償却(不動産などの資産の価値が年々減っていくと見なして、その分を経費として計上できる仕組み)には期限があり、ローンの利息も年々減少していきます。
その結果、節税できなくなった頃には「手出しが増えて赤字に転落する」といった事態になることも。
つまり、目先の節税効果にばかり目を向けていると、数年後に「全然得してなかった」と気づく可能性があるのです。
ワンルームマンション投資をする上で大切なのは、あくまで投資全体の採算がとれるかどうかです。数字に惑わされず、冷静な判断が必要です。
物件の出口戦略・将来的な価格変動の予測
ワンルームマンション投資は、長期的な視点が求められる投資です。購入時だけでなく、将来的にその物件をどうするのか、いわゆる「出口戦略」を考えておくことが非常に重要です。
- 出口戦略の選択肢は主に2つです。
-
- 資産価格が上がったタイミングで売却して利益を得る方法(キャピタルゲイン)
- 物件を長期保有して、家賃収入を得続ける方法(インカムゲイン)
どちらにしても、物件の立地・築年数・需要の変化などが影響し、「思ったような価格で売れない」「空室率が上がって家賃収入が下がる」「修繕費が増える」といった事態は現実に起こり得ます。
そのため、購入時に「出口戦略(いつ・どのタイミングで売却するか)」「周辺エリアの賃貸需要は今後どうなるか」といった視点をもつことが大切です。
ワンルームマンション投資に向いているサラリーマンの特徴とは?

ワンルームマンション投資は、会社員でも始めやすい不動産投資のひとつですが、「誰にでも向いている」わけではありません。
失敗や後悔を防ぐためには、自分の性格や生活スタイル、投資に対する考え方がこの投資スタイルに合っているかを見極める必要があります。
ここでは、ワンルームマンション投資に向いているサラリーマンの特徴を3つに絞って解説します。
将来を見据えた目的を持ち、迷わず着実に投資を続けられる人
ワンルームマンション投資は、短期間で大きなリターンを狙うような投資ではなく、長期的な視点でコツコツと資産を積み上げていく投資です。
そのため、「数年で儲かる」「節税になるから」といった短期的な動機だけで始めてしまうと、思わぬ出費や手間、空室リスクに直面したときに、続けるのが苦しくなることもあります。
一方、確実に成果を出している人は「明確な目的をもって投資を続けている」といった共通点があります。
「老後の年金の足しにしたい」「子どもの教育費に備えたい」といった明確な目的を持ち、その目的に向けて長く投資を続けられているのです。
たとえ、一時的に収支がマイナスになっても、焦らず淡々と積み上げていける、そんな人ほど、10年後・20年後にしっかり成果を手にしている傾向があります。
リスクを冷静に捉えて判断できる人
どんな投資にも、必ずリスクは存在します。
もちろん、ワンルームマンション投資も例外ではないのです。
- 空室リスク(入居者が決まらず家賃収入が途絶える)
- 家賃下落リスク(築年数の経過などで賃料が下がる)
- 金利上昇リスク(変動金利型ローンの場合、返済額が増える)
- 災害リスク(地震や水害などによる建物の損害)
- 流動性リスク(すぐに売却できず資金化に時間がかかる)
ここで大切なのは「リスクがあるからやらない」ではなく、「リスクを理解した上で、どう備えるか」を考えられるかどうかです。
- 空室リスクに備えて、ある程度の自己資金を準備しておく
- 家賃下落リスクを考慮して、購入時の利回りにゆとりのある物件を選ぶ
- 金利上昇リスクに備えて、固定金利を選択したり、繰り上げ返済を計画したりする
- 万一の災害に備えて、保険内容を事前にしっかりチェックする
つまり、メリットだけでなく、想定されるリスクをみつめたうえで自分なりの対策を講じられる人こそ、安定した運用ができるでしょう。
「手間がゼロではない」ことを理解して、主体的に関われる人
不動産投資は「不労所得」とも言われますが、先述のとおり、実際はある程度の手間や判断が必要です。
例えば、空室が出たときの募集条件の確認や、修繕が必要になった際の対応、管理会社とのやり取りなど、完全に手間がゼロではありません。
そうした場面で、面倒だからと任せきりにするのではなく、必要なときは自分でも状況を把握して判断・確認をする姿勢が、長期的に安定した運用を続けるには欠かせません。
「多少の手間がかかるけど、長期的に見れば見返りがある」と前向きに考え、主体的に関われる人にとっては、ワンルームマンション投資は堅実な選択肢といえるのではないでしょうか。
ワンルームマンション投資に向いているかを見極める4つのポイント

「興味はあるけれど、自分に向いているのだろうか…」
という方のために、投資を始める前に確認しておきたいポイントを大きく分けて4つに整理しました。
1つでも不安が残る方は、まずは小さなステップから始める選択肢も視野にいれてみてください。
①資金面で無理がないか
まず確認したいのが、資金的に余裕を持っているかです。家賃収入が見込めても、思わぬ出費があるのが不動産投資です。家計に無理がある状態では、継続が難しくなります。
- チェックポイント
-
□住宅ローン・教育費など、固定支出が増える時期と重なっていないか
□投資に充てる資金は、生活費や緊急資金と分けて準備できているか
□空室が発生し賃料収入が減少しても、生活に支障が及ばないか
□一時的な修繕費用が発生しても、対応できるか
②空室や修繕などもしものリスクを想定できているか
うまくいかない局面を想定して準備している人ほど、安定した投資を長く継続できます。 リスク具体的な数値で見積もれているかがカギです。
- チェックポイント
-
□エリアの空室率や家賃相場を調べて、自分の想定と照らし合わせているか
□空室が数ヶ月続いても、ローンや管理費をカバーできる備えがあるか
□将来的な修繕や設備交換に備えた予算も計画に入っているか住宅ローン・教育費など、固定支出が増える時期と重なっていないか
③最低限の収支計画・出口戦略を理解しているか
「なんとなく儲かりそう」という印象だけで始めるのは危険です。 最低限のシミュレーションができていれば、将来の選択肢が広がります。
- チェックポイント
-
□月々の収支(収入−支出)を正確にシミュレーションしているか
□減価償却や損益通算の仕組みを理解しているか
□10年後、20年後に売却する場合の想定価格や諸費用を試算しているか
④物件を長期で持ち続ける意志があるか
ワンルームマンション投資は、数年で売って儲けるような投資ではありません。むしろ10年、20年という長期スパンでコツコツと家賃収入を積み重ねていく運用のスタイルです。
- チェックポイント
-
□短期的な利益よりも、将来的な安定収入を重視しているか
□築年数が経っても、修繕などをしながら物件と向き合える覚悟があるか
□経済情勢が変化しても、冷静に保有を続けられる精神的な余裕があるか
ワンルームマンション投資が不安な方へ:小さく・低リスクで始められる投資手法とは?

「ワンルームマンション投資は魅力的だけど、自分にとってはまだ少しハードルが高いかもしれない」という方におすすめしたいのが、より少額・低リスクで始められる不動産投資「不動産クラウドファンディング」です。
不動産クラウドファンディングとは?初心者に選ばれるわけ
不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの投資家から資金を集め、その資金をもとに事業者が不動産を取得・運用し、得られた収益(家賃収入や売却益)を投資家に分配する不動産投資の一種です。
個人が不動産を所有するのではなく、運営会社が代わりに物件を運用してくれるため、現物資産に間接的に投資しながらも、手間や管理の負担はほとんどありません。
ワンルーム投資と比較!どちらが自分に合っている?
ワンルームマンション投資 | 不動産クラウドファンディング | |
---|---|---|
コスト | 高額 (数百万円~数千万円) | 少額 (1口数1~10万円程度) |
リスク | 高め (空室・家賃下落・金利上昇など、複数のリスクが伴う) | 中程度~やや低め (※元本保証はない) |
手間 | 多い (入居対応・管理会社とのやりとり・修繕対応などが必要) | 基本的に不要 (運営会社にお任せ) |
資産の流動性 | 低い (売却までに時間がかかる) | 比較的高い (運用期間が事前に決まっている) |
このように比較すると、不動産クラウドファンディングは、ワンルームマンション投資に比べて、初期コストを抑えられ、ローンを組む必要がなく、手間もほとんどかからないという大きなメリットがあることが分かります。
不動産クラウドファンディングは基本的に元本保証がありませんが、「優先劣後出資制度」を採用しているファンドなら、一定のリスク軽減が図られており、より安心して投資できます!
なぜ不動産クラウドファンディングは「最初の一歩」に最適なのか
「いきなり大きなリスクは取りたくない」
「まずは不動産投資がどんなものか、少額で試してみたい」
このように考える方にとって、不動産クラウドファンディングはぴったりの選択肢といえるでしょう。
- ① 少額からスタートできる手軽さ
-
多くの不動産クラウドファンディングは、1口1万円や10万円といった少額から投資を始められます。これは、数千万円単位の資金が必要となるワンルームマンション投資とは大きく異なる点です。まずはボーナスの一部やお小遣いの範囲で始めてみて、不動産投資に慣れていくことができます。
- ② ローン不要で精神的な負担が少ない
-
「ローンを組む」という行為は、それ自体が大きな精神的プレッシャーとなります。特に、既に住宅ローンを抱えている場合、新たな借入には慎重になるでしょう。不動産クラウドファンディングは手元資金の範囲内で完結する投資のため、借金のリスクはありません。
- ③ 運用の手間がかからない
-
物件の選定から管理、入居者対応、売却まで、全て不動産のプロである事業者が行ってくれます。あなたは、ファンドを選んで出資し、あとは分配金と元本の償還を待つだけです。本業で忙しいサラリーマンにとって、この「手間のかからなさ」は大きなメリットです。
- ④ 分散投資がしやすい
-
ワンルームマンション投資は、基本的に1つの物件に資金を集中させることになります。一方、不動産クラウドファンディングなら、少額ずつ複数のファンドに投資することで、物件の種類(マンション、オフィス、商業施設など)やエリアを分散させ、リスクを軽減することが可能です。
- ⑤ 自分では難しい見極めをプロに任せられる
-
どの物件が本当に収益性が高いのか、将来性があるのかを見極めるのは、素人には非常に難しい作業です。不動産クラウドファンディングでは、経験豊富な不動産のプロが、独自の基準で厳選した物件に投資することができます。
まずは少額から、将来的にはワンルーム投資へのステップアップも可能!
不動産クラウドファンディングを通じて、物件タイプや利回り、運用期間といった不動産投資の基礎に触れていくことで、将来的に現物資産へのステップアップもしやすくなります。
例えば…
- 不動産投資の仕組みやリスクについて学ぶ
- 実際に分配金を受け取る経験をする
- 様々なタイプの不動産に触れる
このような経験を積み、自己資金にも余裕が出てきた段階で、「次は現物のワンルームマンション投資を検討してみようかな」と考える人も少なくありません。
つまり、不動産クラウドファンディングは「ゴール」ではなくて「入口」としても非常に優れた選択肢です。
将来の安心のために、自分に合った投資スタイルを見つけよう

ワンルームマンション投資は、将来への備えとして有効な、堅実な資産形成の選択肢です。ただし、継続的な収支管理や物件の維持管理など、思った以上に手間や判断が求められることもあります。
「将来に備えたいけど、自分にできるだろうか…」「いきなり数百万円の投資はハードルが高い…」そんな不安がある方は、まずは不動産クラウドファンディングのような少額から始められる方法で、小さく一歩を踏み出してみるのもひとつの選択肢です。
大切なのは、「何のために投資をするのか」という目的を持ち、自分に合った方法を選ぶことです。焦らず地道に、少しずつ資産を積み上げていくことが、未来の安心につながっていきます。
まずは自分にできるところから、一歩を踏み出してみませんか?
ワンルームマンション投資に関するよくある質問

【監修】

穴吹興産株式会社 不動産ソリューション事業部
アセットマネジメントグループ課長 穴吹 章彦
【資格】
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
【経歴】
ソリューション事業部の業務に7年従事し、投資用不動産のアセットマネジメント業務を経験。現在は不動産特定共同事業におけるファンドの組成業務に従事し、投資家との契約業務全般を担当。不動産クラウドファンディングの仕組みや専門用語を解説しながら、情報発信を行っている。