資産運用を始めてみたはいいけれど、「分散投資をすべき」という言葉に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。「実際どうやって分散すればいいの?」「どのくらい分散するのが最適なの?」「そもそも一つの投資手法だけでいいの?」と悩む方もいるでしょう。
特に、不動産クラウドファンディングのように案件数が多い投資では、どの物件を選ぶべきか、どう組み合わせればよいかを迷ってしまいがちです。
そこで本記事では、不動産クラウドファンディングの中で実践できる分散投資の方法をわかりやすく解説します。案件の選び方や組み合わせ方のコツを知ることで、初心者でもリスクを抑えながら安心して一歩を踏み出すことができます。ぜひ最後まで読んで、自分に合った投資スタイルを見つけてみてください。
・不動産クラウドファンディングでできる分散投資方法
・おすすめの分散投資の組み合わせ
・分散投資をする上での注意点
分散投資の基本

投資の世界でよく「卵とカゴ」のたとえを耳にします。「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という言葉は、分散投資の重要性を象徴するものです。
とはいえ、実際のところなぜここまで分散投資が注目されているのでしょうか。そこでまずは、分散投資が注目されている背景について説明していきます。
分散投資が注目されている背景
分散投資が注目されている背景には、相場の先行きがますます読みにくくなっている現代の状況があります。
もともと「相場は読めないもの」と言われてきたように、分散投資の考え方は以前から存在していましたが、近年はその重要性が一層高まってきました。その理由は、私たちを取り巻く環境が、より多様で複雑になっているからです。
たとえば、インフレや金利上昇といった経済的な動きだけでなく、気候変動、急速な円安やドル高、さらにはAIやSNSによる市場の急変など、これまで以上に予測が難しい要因が多く存在し、その影響範囲も広がっています。
こうした背景の中で、「どんな資産でも絶対に安全とは言い切れない」という認識が広がりつつあります。その結果、一つの資産や投資手法に集中するリスクを避けるために、分散投資がより強く意識されるようになったのです。

特に、これから資産形成をしていきたい方々は、大きなリターンを狙う前に、リスクをコントロールしながら安定的に運用を続けることが大切です。その点でも、「分散投資」は、資産運用をする上で欠かせない基本戦略と言えるでしょう。
不動産クラウドファンディングで分散投資が重要な理由


分散投資の考え方は、株式や債券、投資信託などさまざまな金融商品に当てはまりますが、その中でも不動産クラウドファンディングは、分散投資に適した手段として注目を集めています。
では、なぜ不動産クラウドファンディングが分散投資に向いているといわれているのでしょうか。ここではその理由を不動産クラウドファンディングのメリット・デメリットの両面から説明します。
不動産クラウドファンディングのメリット~分散しやすい理由~
- ①少額からの投資が可能
-
従来の不動産投資(現物不動産投資)では、数百万円~数千万円と多額な初期費用が必要です。一方、不動産クラウドファンディングでは、1口1~10万円程度から投資できる案件が多く、大きな資金がなくても複数案件に投資することが可能です。
たとえば、30万円の資金があれば、3~4つの異なる案件に分けて投資することもできます。
- ②手間いらず
-
不動産クラウドファンディングでは、物件の運用・管理はすべて運営会社が行います。投資家は、案件に出資したあとは配当金を待つだけで、日々の管理や住居者対応に追われる心配はありません。そのため、たとえ複数の案件に投資をしても手間や負担が増えることはなく、時間や手間をかけずに分散投資を実現できるのも大きな魅力です。
不動産クラウドファンディングのデメリット~分散しやすい理由~
- ①個別リスクにさらされる可能性がある
-
不動産クラウドファンディングは、案件ごとに物件の種類(マンション、商業施設、ホテルなど)、運用期間(短期・中期・長期)、立地などが異なります。そのため、それぞれの案件で異なるリスクがあります。
たとえば、空室期間の長期化による収益の減少、賃料の想定外の下落、天災や火災などによるリスクが挙げられます。さらに、物件の売却がスムーズに進まないケースや、ファンド運営会社の経営状況悪化といったリスクを考慮する必要する必要があります。
もし、一つの物件に資金を集中させてしまうと、万が一の事態が起きた際にその影響を大きく受けることになります。だからこそ、複数の案件に分散投資することで、個別リスクを一部にとどめることができ、資産全体へのダメージを最小限に抑えることができるのです。
- ②基本的に途中解約ができない
-
不動産クラウドファンディングでは、基本的に運用期間中の途中解約ができません。自由に資金を引き出すことができないため、急に資金が必要になった場合に対応が難しいという特有のデメリットがあります。こうした資金拘束リスクに対しても、複数の案件に分散投資することで備えることが可能です。たとえば、運用期間の異なる案件を組み合わせることで、一部の資金は早めに戻しつつ、残りは長期運用に回すといった柔軟な戦略も取れるようになります。
このように、不動産クラウドファンディングは、案件の多様性や手軽さといったメリットを活かしながら、リスクを抑えて運用しやすい投資手法です。そのためにも、複数の案件に分けて投資する「分散」の考え方は非常に重要なのです。


【実践編】不動産クラウドファンディングでできる4つの分散投資方法


ここまで、不動産クラウドファンディングが分散投資に向いている理由を、メリットとデメリットの両面から解説してきました。では実際に、どうやって分散すればいいのかと考えたときに、何を基準に分ければよいのでしょうか。
ここでは、不動産クラウドファンディングにおいて実践できる4つの分散の視点をご紹介します。どれも難しいことではなく、案件選びの際に少し意識するだけで取り入れられるものばかりです。初めての方でも実践しやすい分散の考え方なので、ぜひ参考にしてみてください。
①エリアの分散
1つ目の視点は、「エリア(地域)」で分けることです。
- 都心部の物件
-
需要が安定している一方、物件価格は上昇し、維持管理コストもかかるため利回りはやや低めになる傾向
- 地方都市の物件
-
都心部より物件価格が安く、高利回りが期待できる反面、空室リスクや価格変動の影響を受けやすい
このように、エリアにとって物件特有のリスク・リターンのバランスは異なります。同じエリアに偏って投資をしてしまうと、そのエリアの経済状況や災害などの影響を一度に受けてしまう可能性があります。複数のエリアに分けて投資するで、地域特有のリスクを分散し、全体としての安定性を高めることができます。



「東京のマンション」と「地方の商業施設」など、エリアだけでなく用途も異なる物件を組み合わせることで、より効果的な分散投資が可能になります!
②アセットタイプ(物件の種類)の分散
2つ目は、「アセットタイプ(物件の種類)」で分けることです。
不動産クラウドファンディングには、さまざまな種類の物件が対象となっています。
主な例としては以下のようなものがあります。
・住宅系(マンションやアパート)
・オフィス
・商業施設(ショッピングセンター・テナントビル)
・ホテル
・物流施設
・医療や介護施設
それぞれの物件の種類によって、想定できるリスクや収益の安定性が異なります。
- マンション
-
家賃収入で比較的安定しやすい反面、利回りは低い傾向にある
- ホテル
-
繁忙期やイベントの影響で短期間での高収入が狙える一方で、景気や観光需要に左右されやすい
このように、1つの種類の物件に偏ると、その業界特有のリスクに左右されやすくなります。用途の異なる物件を組み合わせて投資することで、リスクの偏りを抑えることができます。
③運用期間の分散
3つ目は、「運用期間(投資期間)」による分散です。
不動産クラウドファンディングには、数ヶ月〜数年単位まで、さまざまな運用期間の案件があります。
- 短期(6カ月~1年)
-
資金の流動性は高いが、利回りが低い傾向にある
- 長期(2年以上)
-
高い利回りが期待できるが、資金が長期間拘束される
すべての資金を長期案件に預けてしまうと、急な出費に対応しづらいというリスクがあります。逆に、短期案件ばかりに偏ると、収益性が物足りなかったり、何度も投資先を探す手間が増えてしまったりします。そのため、短期と長期の案件を組み合わせて投資することで、資金の流動性を確保しつつ、安定したリターンを狙うことができます。自身の投資目的やライフスタイルに合わせて運用期間を分散させることで、より柔軟で安定した資産運用につながります。
④運営会社の分散
4つ目の視点は、「運営会社」での分散です。
不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法に基づき、複数の事業者がそれぞれのサービスや仕組みを提供しています。案件の特徴や投資スキーム、リスク対応の仕組みなども会社によって異なり、一見似たように見えても中身はさまざまです。
万が一、ある運営会社に経営上のトラブルや不正が発生した場合、その会社にしか投資していなければ資産全体に大きな影響が及ぶ可能性があります。
そこで、異なる事業者の案件に分散投資しておくことで、万が一の事業者リスクにも備えることができます。
ただし、運営会社ごとに会員登録や入金方法が異なるため、最初から多くの事業者を利用するのではなく、使いやすいと感じた会社を2〜3社選び、そこから分散を始める流れでも十分です。
分散投資を実践するための4つのポイント
①エリアを分ける
②アセットタイプ(物件の種類)を変える
③運用期間を分ける
④運営会社を分ける



「分散投資」と聞くと、なんだか難しそうと感じるかもしれません。しかし実際には、案件を選ぶ際にこの4つの視点を意識するだけで、自然と分散投資を取り入れることが可能です。
【投資目的別】おすすめの分散投資の組み合わせ


分散投資というと、案件をばらばらに選べばいいと思いがちですが、実はそれだけでは不十分です。本当に大切なのは、自分の投資目的に合った組み合わせを考えることです。 そこでここでは、投資のスタンスを「安定重視」「収益重視」「バランス重視」の3つに分けて、それぞれに適した分散投資の考え方と具体的な組み合わせ例をご紹介します。
安定重視タイプ:リスクを抑えて着実に資産形成したい方へ
「リターンよりも安全性を重視したい」「長期的にコツコツ資産を増やしたい」という方には、堅実性・安全性を重視した組み合わせがおすすめです。
組み合わせのポイント
- エリア…都市部中心
-
需要が安定しやく、空室リスクが低い
- 物件の種類…マンションなどの住居系
-
景気の影響を受けにくく、家賃収入が比較的安定
- 運用期間…6カ月~2年程度
-
資金拘束のリスクを抑え、柔軟な資金管理が可能
10万円→都内のワンルームマンション(運用期間1年、年利3.0%)
10万円→郊外のファミリー向け住宅(運用期間2年、年利5.0%)
10万円→大都市圏の学生マンション(運用期間半年、年利2.5%)
収益重視タイプ:高いリターンを狙いたい方へ
「ある程度のリスクを取っても高いリターンを狙いたい」という方には、収益性を重視した組み合わせがおすすめです。
組み合わせのポイント
- エリア…地方や観光地
-
空室リスクや流動性リスクがあるものの、利回りは高めの傾向
- 物件の種類…ホテル・商業施設など
-
景気や需要の影響を受けやすく、リターンの振れ幅が大きい
- 運用期間…2~3年程度
-
資金を長期間預けることで、より高いリターンが期待できる
10万円→地方のリゾートホテル(運用期間3年)
10万円→郊外の商業施設(運用期間2年)
10万円→地方都市の複合施設(運用期間2.5年)
バランス重視タイプ:安定と収益の両立を目指す方へ
「大きなリスクは避けたいけれど、ある程度のリターンは狙いたい」「多少のリスクであれば許容できる」という方には、安定性と収益性のバランスを重視した組み合わせがおすすめです。
10万円→都内のマンション(運用期間1年、年利3.0%)
10万円→地方のホテル(運用期間3年、年利7.0%)
10万円→商業施設案件(運用期間2年、年利5.0%)
分散投資の注意点と落とし穴


分散投資は、リスクを抑えながら資産を安定的に運用するための有効な手法です。しかし、「とりあえず分けておけば安心」というわけではありません。
実際には、分散のつもりがうまく機能せず、結果としてリスクを抑えられていないというケースもあります。ここでは、不動産クラウドファンディングにおける分散投資の注意点と、よくある失敗パターンをご紹介します。
分散しすぎても意味がない!?
分散投資というと「数を増やせば安心」と思いがちですが、むやみに案件数を増やすのは、かえって逆効果になる場合もあります。
たとえば、同じようなエリア・物件タイプ・運用期間の案件に投資している場合、形式的には分散していても、実質的にはリスクが集中していることが考えられます。
例:地方ワンルームマンション3案件に投資
→地方で自然災害が起きた場合、3案件とも被害を受けてしまう
また、あまり多くの案件に分けすぎると、一件あたりの投資金額が少なくなり、リターンの実感が得にくくなるという側面もあります。特に少額投資では、「数を増やす」よりも「戦略的に分ける」ことが重要です。たくさん分ければ安心!という考え方は、一度見直してみましょう。
案件選びに時間をかけすぎてしまう
分散投資を意識しすぎるあまり、「エリア・物件・期間・利回り・会社…すべて完璧に分けたい」と考えてしまうと、案件を探すたびに時間がかかり、投資自体が負担に感じてしまうことがあります。特に不動産クラファンでは、サービスによって案件の募集頻度や公開のタイミングが異なるため、思い通りの組み合わせで投資できるとは限りません。
理想の分散を追い求めすぎてしまうと、投資のチャンスを逃したり、判断に疲れ投資に一歩踏み出せなくなったりしてしまうリスクがあります。そのため、投資機会を逃してしまうよりは、ある程度のバランスとタイミングを優先し、柔軟に判断することも分散投資を長く続けるためのコツです。
途中解約ができないため、資金管理に注意
不動産クラウドファンディングは基本的に、運用期間中の途中解約ができません。そのため、「思ったより生活費が足りなくなった」「他に良さそうな案件が出た」などの理由があっても、すぐに資金を動かすことはできない点には注意が必要です。
このリスクに備えるには、運用期間を分散させることや、生活資金とは分けた余剰資金で投資をすることが大切です。無理のない範囲で資金の流動性を確保しながら分散投資するように意識してみてください。



分散投資で重要なのは「数」ではなく「バランスと戦略」!
案件ごとの内容や特性を見極め、どのように分けるかを考えることがポイントです。
投資全体の中で不動産クラウドファンディングを活用する場合


ここまで、不動産クラウドファンディングの中での分散投資について解説してきましたが、少し視野を広げて、「他の投資商品とどう組み合わせるか」という点にも注目してみましょう。
不動産クラウドファンディングは、株式や投資信託、預金などと組み合わせて活用することで、バランスの取れたポートフォリオを構築することができます。
では、どのように組み合わせれば、安定感のある資産形成ができるのでしょうか。ここでは、運用スタイルに応じた活用方法についてみていきましょう。
NISAや株式投資とどう組み合わせる?
すでに積立NISAや投資信託、株式などで運用している方にとっては、不動産クラウドファンディングを「資産の一部に加える」という使い方が非常に有効です。
特に、株式系でリスクを取っている分、不動産クラウドファンディングで現物資産に分散することで、資産の安定性を高められます。
債券や預金とどう組み合わせる?
債券や預金などを中心とした安定志向の運用スタイルの方にとっては、不動産クラウドファンディングを加えることで、収益性の向上が期待できます。
また、不動産クラウドファンディングは運用期間に資金を動かせない特性があるため、短~中期で一部の資金を固定する手段として活用する考え方もあります。



このように、不動産クラウドファンディングはポートフォリオ全体のバランスを取る存在として位置づけることで、リスクとリターンの最適化を図ることができます。
おすすめはJointo α


穴吹興産株式会社が運営する「Jointo α」は、少額から始められ、忙しい方でも手間なく不動産投資を実践できる点や、企業としての安定性から人気を集めている不動産クラウドファンディングのサービスです。ここでは、分散投資を意識したい方にとってJointo αがどのように役立つのか、その魅力について詳しくご紹介します。
短期~中期中心だった運用期間に、3年の長期案件も登場
これまでJointo αでは、運用期間が1年程度の短期~中期案件が中心でした。しかし、2025年にSPC型を活用した運用期間3年の中長期案件が登場したことで、より柔軟な投資スタイルが可能になっています。
たとえば「1年の短期案件+3年の長期案件」のように、運用期間をずらして投資することで、資金の流動性と収益性のバランスを取った分散投資も、Jointo α内で実践できます。
1口10万円〜の少額から始められる手軽さ
Jointo αでは、1口10万円からの少額から投資が可能です。「いきなり大きな金額を出すのは不安…」という方でも、リスクを抑えながら複数案件に分けて投資することができます。
たとえば30万円の予算があれば、3案件に10万円ずつ分けて分けて投資をすることもできます。この手軽さは、特に分散投資初心者にとって大きなメリットです。
▼まずは無料会員登録から
Jointo αの公式サイトでは、過去の募集実績やファンドの詳細情報も確認できます。気になる案件が見つかったら、無料の会員登録をしておくだけで、次回の募集にスムーズに参加できます。
分散投資で、安心して一歩を踏み出そう!


不動産クラウドファンディングは、少額から始められ、物件の種類やエリア、運用期間なども選べるため、分散投資にぴったりの投資手法です。
少しずつ分けて投資するだけでも、特定のリスクに偏ることを防ぎ、より安定した資産運用につながります。
もちろん、どんな投資にもリスクはつきものです。しかし、いくつかに分けて投資しておけば、ひとつがうまくいかなくても大きな損失にはつながりにくく、安心して続けることができます。いきなり完璧な分散をしなきゃと思わず、まずは少額から、ひとつ案件に参加してみることから始めてみましょう。投資の流れを体験することで、自分に合った投資スタイルが少しずつ見えてきます。将来のために、コツコツ資産を築いていきたいという方にとって、不動産クラウドファンディングは、有効な選択肢になるでしょう。
Jointo αなら、1口10万円から分散投資を実践できます。まずは無料の会員登録をして、気になる案件をチェックしてみてください!