10万円からはじめる不動産投資 10万円からはじめる不動産投資

不動産投資の種類とメリットとは。向いている人の特徴や成功させるコツも解説

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不動産投資の方法はいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。方法次第では数万円程度の少額から不動産投資を始めることが可能です。

不動産投資を始めると安定的に収入を得られるメリットがある一方で、いくつか注意点もあります。投資にはリスクが伴うことを認識した上で、自分に合った方法で実践しましょう。

この記事から分かること
  • 不動産投資の多様な手法とその特徴
  • 不動産投資で得られる主な利益の種類とメリット
  • 不動産投資に伴う多様なリスクと購入時・維持管理費用
  • 不動産投資に向いている人の特徴と成功のためのコツ
目次

不動産投資とは?

不動産投資とは、購入した物件を他人に貸して家賃収入を得たり、物件の価値が上がったときに売却して利益を得たりする投資方法です。

一般的に「不動産投資」と聞くと、「多額の資金が必要」「リスクが高い」といったイメージを持つ方が多いかもしれません。確かに従来の不動産投資では数千万円の初期投資が必要でしたが、近年では少額から始められる投資方法も登場しています。

不動産投資の魅力は、入居者がいる限り毎月家賃収入が入ってくるため、老後の資産形成や副収入として活用できる点です。また、物件という「実物資産」を所有するため、インフレ(物価上昇)に強いという特徴もあります。

ただし、不動産投資にはさまざまなリスクも存在するため、しっかりと仕組みを理解してから始めることが重要です。

不動産投資の代表的な手法

不動産投資には複数の方法があり、それぞれ必要な資金や期待できる収益、リスクの程度が異なります。ここでは代表的な5つの手法について詳しく解説していきます。

区分マンション投資

区分マンション投資とは、マンションの一室(区分)を購入して賃貸に出す投資方法です。マンション一棟を丸ごと購入するのではなく、その中の一部屋だけを所有するため、比較的少ない資金で始められるのが特徴です。

投資額の目安は、新築の場合で2,000万~5,000万円、中古の場合で1,000万~4,000万円程度です(地域によって差があります)。ローンを利用すれば、頭金として数十万~数百万円で始めることも可能です。

区分マンション投資のメリットは、立地のよい物件を選びやすいことです。駅近の好立地にあるマンションの一室なら、入居者が見つかりやすく、安定した家賃収入を期待できます。

一方で、一室のみの所有のため空室になった場合の収入減少リスクが大きく、また修繕積立金や管理費などの維持費用が割高になりやすいデメリットもあります。

一棟のマンション・アパート経営

一棟のマンションやアパートを丸ごと購入して経営する方法です。複数の部屋を所有するため、一部が空室になってもほかの部屋からの家賃収入でカバーできる安定性があります。

投資額は、規模や建物の構造によって大きく異なります。鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションは、高額になりがちです。

一棟経営の最大のメリットは収益性の高さです。複数の部屋からの家賃収入があるため、月々の収入も大きくなります。また、建物全体を所有するため、リフォームや設備投資などの自由度が高く、付加価値を高めて家賃アップを図ることも可能です。

ただし、初期投資額が大きいためリスクも高く、また建物の維持管理や入居者対応など、オーナーとしての責任も重くなります。空室率が高くなった場合の損失も大きいため、立地選びや物件管理の方法は慎重に考えなければなりません。

戸建て物件投資

一戸建て住宅を購入して賃貸に出す投資方法です。ファミリー世帯をターゲットにすることが多く、入居期間が長期になりやすいという特徴があります。

投資額は立地や築年数によって幅がありますが、中古戸建てなら数百万円から、新築の場合は2,000万~5,000万円程度が目安となります。特に地方の中古戸建てなら、数百万円という少額で始めることも可能です。

戸建て投資のメリットは、入居者の定着率の高さです。ファミリー世帯は転居回数が少ないため、一度入居してもらえれば長期間の安定収入を期待できます。また、土地も含めて所有するため、建物が古くなっても土地の価値は残るという安心感もあるでしょう。

一方で、空室になった場合は収入がゼロになるリスクや、戸建て特有の修繕費用(屋根や外壁など)が高額になることがある点には注意が必要です。

REIT

REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の略で、多くの投資家から資金を集めて不動産に投資し、その収益を分配する金融商品です。

証券取引所で売買されているため、株式と同じように数万円から投資を始められます。また、プロの運用会社が物件の選定や管理を行うため、不動産投資の知識がなくても参加できる手軽さが魅力です。

REITには、オフィスビル特化型・住宅特化型・商業施設特化型など、さまざまなタイプがあります。分散投資効果により、個別の物件に投資するよりもリスクを抑えられます

ただし、REITは証券市場で取引されるため、不動産市場だけでなく株式市場の影響も受けやすい点を押さえておきましょう。また、実際に不動産を所有するわけではないため、投資対象の物件を自分で決めることはできません。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの投資家から資金を集め、その資金で不動産に投資する手法です。1万円から10万円程度の少額から始められるため、不動産投資未経験者の方でも手軽に始められます。

クラウドファンディングの運営会社が投資対象となる不動産を選定し、その物件への投資資金を募集します。投資家は希望する金額を出資し、物件から得られる家賃収入や売却益を出資額に応じて分配される仕組みです。

少額から始められ、物件の管理や運営をすべて運営会社に任せられる点が特徴です。また、投資対象となる物件の詳細情報が開示されているため、どのような不動産に投資しているかを明確に把握できます。

一方で、投資期間が決まっているため中途解約が難しい場合が多く、また運営会社の信頼性が投資成果に大きく影響する点には注意が必要です。

不動産投資で得られる利益

不動産投資で得られる利益には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分の投資目標に合った戦略を立てましょう。

インカムゲイン

インカムゲインとは、不動産を所有している期間中に継続的に得られる収入のことです。具体的には、物件を賃貸に出すことで得られる家賃収入がこれにあたります。

インカムゲインの魅力は、その安定性にあります。入居者がいる限り毎月決まった金額の家賃収入が入ってくるため、長期的な資産形成に適している投資方法といえるでしょう。また、家賃は株式の配当金と比べて変動が少ないため、将来のキャッシュフローを予想しやすいという特徴もあります。

インカムゲインを重視する場合は、立地のよい物件を選ぶことが重要です。「駅から近い」「周辺に商業施設がある」「治安がよい」などの条件を満たす物件は入居者が見つかりやすく、長期間の安定収入を期待できます。

ただし、空室リスクや家賃下落リスクがあることも理解しておく必要があります。特に築年数が古くなると家賃を下げざるを得ない場合もあるため、定期的なメンテナンスや設備のアップデートが欠かせません。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは、不動産を購入時よりも高い価格で売却することで得られる利益のことです。物件の価値上昇や相場の変動を利用して、短期間で大きな利益を狙う投資方法です。

キャピタルゲインを狙う場合は、将来的に価値が上がりそうな物件を見極める必要があります。例えば、再開発が予定されているエリアの物件や、新しい駅や商業施設の建設が予定されている地域の物件などは、将来的な価値上昇が期待できるでしょう。

また、物件を購入後にリノベーションを行い、付加価値を高めてから売却するという手法もあります。古い物件を安く購入し、現代のニーズに合わせて改装することで、投資額以上の価値を生み出すことも可能です。

ただし、キャピタルゲインを狙う投資にはリスクも伴います。不動産市場は株式市場と比べて流動性が低いため、売りたいタイミングで売れない可能性があります。また、購入時の諸費用(登記費用、不動産取得税など)や売却時の諸費用(仲介手数料、譲渡所得税など)も考慮しなければなりません。

不動産投資をするメリット

不動産投資には多くのメリットがあり、それらを理解することで投資判断の参考にできます。ここでは、主要な6つのメリットについて詳しく解説していきます。

安定的に収益を得られる

不動産投資の最大のメリットは、安定した収益を継続的に得られることです。株式投資で得られる配当金は、業績によって変動したり無配(配当なし)になったりする可能性がありますが、不動産の家賃収入は比較的安定しています

特に立地のよい物件であれば、入居者の確保がしやすく、長期間にわたって安定した収入を期待できます。また、家賃は短期間で大幅に変動することは少ないため、将来の収支計画も立てやすいでしょう。

収入の安定性は、老後の資金準備や副収入の確保を目的とする投資家にとって大きな魅力です。毎月決まった金額の収入があることで、生活設計も立てやすくなるでしょう。

相続税対策になる

不動産投資は相続税対策としても有効です。現金で財産を残す場合、その金額がそのまま相続税の課税対象となりますが、不動産の場合は評価額が実際の時価よりも低く算定されるためです。

特に賃貸用不動産の場合は、「貸家建付地」や「貸家」という評価方法により、さらに評価額が下がります。これにより、同じ価値の財産でも相続税を軽減できる可能性があります。

赤字が発生しても節税ができる

不動産投資で赤字が発生した場合、その損失を給与所得などほかの所得と相殺できる「損益通算」という制度を利用できます。これにより、総合的な所得税を軽減できる可能性があります。

不動産投資では、建物の減価償却費を経費として計上できるため、実際にはキャッシュフローがプラスでも、帳簿上は赤字になることがあります。この「紙上の赤字」を活用することで、合法的に節税効果を得られるのです。

ただし、だからといってこの制度を悪用することのないよう注意が必要です。また、将来的に物件を売却する際には、減価償却した分だけ譲渡所得が増える可能性があることも理解しておく必要があります。

万が一の際には遺族に無借金の不動産を残せる

不動産投資ローンを利用して物件を購入する場合、多くの金融機関で団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられています。これにより、ローンの借主に万が一のことがあっても残債が保険で完済され、物件は無借金で家族に残されます。

ローンの残債がなく、家賃収入を得られる資産を残せるという点で、一石二鳥の効果があるといえるでしょう。

ただし、団信には年齢制限や健康状態の審査があるため、誰でも加入できるわけではありません。また、保険の内容も商品によって異なるため、加入前に詳細を確認することが重要です。

インフレ対策になる

不動産は「実物資産」であるため、インフレ(物価上昇)に対する強さがあります。一般的に物価が上昇すると、不動産の価値や家賃も上昇する傾向があるため、購買力を維持できる可能性が高いのです。

現金や預金の場合、インフレが進むと実質的な価値が目減りしてしまいます。例えば、年率2%のインフレが続くと、10年後には現在の100万円の価値は約82万円まで下がってしまう計算になります。

一方、不動産投資であれば、物価上昇に合わせて家賃や物件価値も上昇する傾向があるため、インフレから資産を守れます。

レバレッジ効果を生かせる

不動産投資では、ローンを活用することで「レバレッジ効果」を得られます。レバレッジ効果とは、借入金を使って自己資金以上の投資を行い、より大きな収益を狙う手法のことです。

例えば、自己資金500万円で2,000万円の物件を購入した場合、投資効率は自己資金のみで500万円の物件を購入した場合の4倍になります。物件から得られる収益率が借入金利を上回れば、レバレッジ効果により高い投資収益を期待できるでしょう。

ただし、レバレッジ効果はもろ刃の剣でもあります。収益が予想を下回った場合や空室が長期化した場合、借入金の返済負担により損失が拡大する可能性もあるため、注意が必要です。

不動産投資を始める際の注意点

不動産投資には多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やリスクも存在します。これらを理解した上で、不動産投資が合っているかを慎重に考えましょう。

さまざまなリスクがある

不動産投資には複数のリスクが存在し、それぞれに適切な対策を講じる必要があります。

リスクの種類具体的な内容
空室リスク入居者が見つからず賃料収入が途絶える
家賃下落リスク築年数経過や周辺環境悪化により賃料が下がる
修繕・維持費リスク設備故障、外壁修繕、共用部分の修繕費用が想定を上回る
金利上昇リスクローン金利が上昇し返済負担が増加
固定金利の選択
流動性リスク売りたいときに売れない可能性
価格下落リスク不動産価格の下落により売却時に損失が発生
災害リスク地震火災、水害などによる物件の損傷・滅失
法制度変更リスク税制改正、建築基準法改正などにより収益性が悪化
入居者トラブルリスク家賃滞納、近隣トラブル
建物老朽化リスク築年数経過により資産価値・収益性が低下

上表のリスクは、いずれも完全に排除することはできません。また、立地や建物の状況によって、有効なリスク対策が異なります。

信頼できる不動産会社に相談しながら、有効な手立てを打つことが欠かせません。

購入時にさまざまな費用が発生する

不動産を購入する際には、物件価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。これらの費用は一般的に物件価格の10~15%程度といわれており、資金計画を立てる際には必ずしなければなりません。

主な諸費用は、以下のとおりです。

  • 不動産仲介手数料
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 火災保険料
  • ローン諸費用(事務手数料、保証料など
例えば…

2,000万円の物件を購入する場合
諸費用だけで200万~250万円程度が必要

これらの費用は現金で支払う必要があることが多いため、物件価格とは別に準備しておかなければなりません。

物件の維持管理費用が発生する

不動産投資では、物件を所有している限り継続的に維持管理費用が発生します。これらの費用を適切に見積もっておかないと、収支計画が狂ってしまう可能性があります。

定期的に発生する費用としては、

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 建物の管理費
  • 修繕積立金(マンションの場合)
  • 管理会社への委託料   などがあります。

また、設備の故障や建物の老朽化に伴う修繕費用も無視すべきではありません。エアコンの交換や外壁塗装、屋根の補修など、タイミングによっては数十万円から数百万円の出費が必要になることもあり得ます。

これらの支出へ対応するためには、家賃収入の一部を維持管理費用として積み立てておくことが重要です。

売りたいときに売れない可能性がある

不動産は株式などと比べて流動性が低く、売りたいと思ったときにすぐに売れない可能性があります。「流動性リスク」と呼ばれ、不動産投資特有のリスクの一つです。

不動産の売却には、買主を見つけるまでに数カ月から1年以上かかることも珍しくありません。また、売却を急ぐ場合は、市場価格よりも安い価格で売らざるを得ない状況が発生する可能性もあります。

このリスクを軽減するためには、投資期間を長期で設定し、短期的な売却を前提としない計画を立てることが重要です。また、需要の高いエリアの物件を選ぶことで、売却時の流動性を高めることもできるでしょう。

不動産投資が向いている人の特徴

不動産投資はすべての人に適した投資方法ではありません。成功するためには、特定の資質や条件を満たしていることが重要です。ここでは、不動産投資に向いている人の特徴について詳しく解説します。

リスクに対する耐性がある人

不動産投資にはさまざまなリスクが伴うため、それらのリスクを受け入れられる精神的な強さが必要です。空室期間中の収入減少や突発的な修繕費用の発生など、予期しない事態に対しても冷静に対処できる人が向いているといえるでしょう。

また、投資額が大きいため、一時的に含み損が発生することもあります。そのような状況でも長期的な視点を維持し、感情的な判断をせずに合理的な決定を下せる人が成功しやすい傾向があります。

資金力と信用力がある人

不動産投資、特に実物不動産への投資には相応の資金力が必要です。自己資金だけでなく、金融機関からの融資を受けるための信用力も重要な要素となります。

安定した収入があり既存の借入金が少ない人は、金融機関からの融資を受けやすく、よりよい条件で不動産投資を始められます。また、十分な自己資金があれば、より多くの物件選択肢から最適な投資対象を選べるでしょう。

ただし、資金力が十分でない場合でも、不動産クラウドファンディングやREITなどの方法であれば少額から投資を始められます。

長期的な視点で考えられる人

不動産投資は短期間で大きな利益を得るよりも、長期間にわたって安定した収益を積み重ねることが基本です。そのため、短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けられる人が向いています。

特に、築年数の経過による家賃下落や、一時的な空室の発生などは避けられない要素です。これらの短期的な収益悪化を受け入れながらも、長期的な資産形成を目指せる忍耐力が求められます。

また、長期投資を前提とすることで、複利効果を生かした資産形成も可能になります。得られた家賃収入を再投資に回すことで、投資規模を徐々に拡大していくという戦略も取りやすくなるでしょう。

勉強熱心で情報収集を怠らない人

不動産投資で成功するためには、継続的な学習情報収集が欠かせません。不動産市場の動向や法制度の変更、税制の改正など、投資環境は常に変化しているためです。

特に、投資エリアの将来性を判断するためには、その地域の人口動態や再開発計画などの情報を収集する必要があります。また、同じエリア内での競合物件の状況や家賃相場の変化についても、定期的にチェックすることが重要です。

不動産投資を成功させるためのコツ

不動産投資で成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらのコツを理解し、実践することで、リスクを抑えながら安定した収益を得る可能性を高めることができるでしょう。

立地選びを最重視する

不動産投資において、立地はもっとも重要な要素といっても過言ではありません。特に、最寄り駅が複数路線利用可能であったり、急行が停車する駅であったりする場合は、より高い入居需要を期待できるでしょう。

また、立地選びでは現在の状況だけでなく、将来的な変化も考慮することが重要です。再開発計画がある地域や、新しい商業施設の建設が予定されている地域などは、将来的な価値向上が期待できます。

一方で、人口減少が進んでいる地域や主要産業の衰退により雇用が減少している地域などは、将来的な入居需要の低下リスクがあるため注意が必要です。

立地選びの際は、実際に現地を訪れて周辺環境を確認することも大切です。地図やインターネット上の情報だけでは分からない騒音やにおい、治安状況などを自分の目で確かめて、「安心して生活できるかどうか」を確認しましょう。

不動産投資は「事業」であることを理解する

不動産投資を成功させるためには、単なる投資ではなく「事業」として捉える意識が重要です。賃貸事業の経営者として、入居者に満足してもらえるサービスを提供するという視点を持つことが欠かせません。

事業としての視点を持つことで、入居者のニーズを理解し、物件の魅力を高める工夫を考えられるようになります。

事業である以上、収支管理や税務処理についても適切に行う必要があります。家賃収入だけでなく、維持管理費用や減価償却費、借入金の利息などを正確に把握しましょう。「収入を増やす方法」「支出を減らす方法」を考えて、収益性を向上させるための工夫を施すことが重要です。

自分で不動産価格や家賃相場などの理解を深める

不動産投資で成功するためには、投資対象となる物件の適正価格や地域の家賃相場について、自分で判断できる知識を身に付けることが重要です。不動産会社の営業担当者の話だけをうのみにせず、客観的なデータに基づいて判断する能力が求められます。

不動産価格や家賃相場については、同じエリアの類似物件の売買事例を調べることで相場感を把握できます。国土交通省の「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」や、不動産ポータルサイトなどを活用して、過去の取引事例や現在の売り出し価格を調査することも可能です。

投資判断の精度を高め、適正価格での物件取得や適切な家賃設定をするためにも、継続的な情報収集は欠かせません。

リスク管理を徹底する

不動産投資におけるリスク管理は、成功の鍵を握る重要な要素です。想定されるリスクを事前に洗い出し、それぞれに対する対策を講じておくことで、トラブルが発生した際の損失を最小限に抑えられます。

まず、適切な保険に加入することは基本です。火災保険はもちろん、地震保険や施設賠償責任保険なども検討しましょう。また、入居者との間でトラブルが発生した場合に備えて、家賃保証会社の利用も有効な対策となります。

複数の物件に投資する場合は、地域や物件タイプを分散させることでリスクの軽減を図ることもできます。一つの地域に集中投資すると、その地域特有のリスク(災害、経済状況の悪化など)の影響を大きく受けてしまう可能性があるためです。

信頼できる管理会社に委託する

不動産投資を成功させるためには、優秀な管理会社との関係構築が欠かせません。特に本業を持ちながら不動産投資を行う場合は、日常的な物件管理や入居者対応を専門会社に委託することで、効率的な運営が可能になります。

管理会社選びのポイントとしては、以下を重視するとよいでしょう。

  • 入居者募集力の高さ
  • 対応の迅速性
  • 管理手数料の妥当性
  • 実績や評判
  • インターネット掲載の充実度
  • 営業力の強さ

管理会社とは長期的な関係になることが多いため、担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさも重要な判断基準です。定期的な報告や相談がしやすい会社を選ぶことで、物件の状況を適切に把握し、必要に応じて改善策を講じることができます。

不動産投資の始め方

不動産投資を始めるためには、適切なステップを踏んで準備を進めることが重要です。ここでは、初心者でも安心して投資を始められる手順について詳しく解説していきます。

STEP
不動産投資を始める目的を決める

不動産投資を始める前に、まず投資の目的を明確にすることが重要です。目的によって選ぶべき投資手法や物件タイプ、投資期間などが大きく変わってくるためです。

老後資金の準備が目的の場合は、長期間にわたって安定した家賃収入を得られる物件を選ぶべきでしょう。一方、相続税対策が目的であれば、評価額の圧縮効果が高い物件を重視する必要があります。

また、副収入の確保が目的の場合は、管理負担の少ない物件や、管理会社にすべて委託できる物件を選ぶことが大切です。投資に割ける時間や労力も考慮して、現実的な目標設定を行いましょう。

STEP
目的に合った物件を探す

投資目的が決まったら、それに適した物件を探すステップに移ります。物件探しは、不動産投資の成否を大きく左右する重要な要素です。

安定収入を重視する場合は、駅近の区分マンションやファミリー向けの戸建て物件などが候補となるでしょう。一方、高い収益性を求める場合は、一棟アパートやマンションも検討対象となります。

初心者の場合は、まず少額から始められる不動産クラウドファンディングやREITから始めて、不動産投資の感覚をつかむことも有効な方法です。これらの手法であれば、物件管理の手間もなくリスクも抑えられるため、投資経験を積みながら知識を深められます。

STEP
現在と未来の資金計画を立てる

不動産投資では、物件取得時の初期費用だけでなく、その後の運営費用や将来の修繕費用なども含めた総合的な資金計画を立てることが必要です。

まず、現在の収入と支出を正確に把握し、投資に回せる資金額を算出しましょう。生活費や既存の借入返済、緊急時の予備資金などを差し引いた上で、無理のない投資額を設定することが重要です。

ローンを利用する場合は、借入可能額や金利、返済期間などの条件を事前に確認しておきましょう。金融機関によって条件が異なるため、複数の機関で相談することをおすすめします。

また、将来的な収支シミュレーションも行っておくべきでしょう。家賃収入・管理費用・税金・ローン返済額などを考慮し、長期間にわたる収支予測を立てることで、投資の妥当性を判断できます。

STEP
信頼できる不動産会社で相談する

資金計画が固まったら、信頼できる不動産会社を見つけて具体的な相談を始めましょう。よい不動産会社かどうかを判断する際には、以下のポイントに注目してみてください。

  • 豊富な実績と経験がある
  • 顧客の立場に立ったアドバイスをしてくれる
  • アフターフォローが充実している
  • 営業担当者が投資家の目的や条件を丁寧にヒアリングしてくれる
  • 適切な改善の提案をしてくれる

また、実際にその会社で投資を行っている人の評判や口コミも参考にするとよいでしょう。

STEP
物件を購入する

最適な物件が見つかり、資金調達のめども立ったら、いよいよ物件購入のステップに進みます。ただし、契約前には必ず最終的な確認を行うことが重要です。

物件の現地調査は必須です。周辺環境や建物の状態、設備の動作状況などを自分の目で確認しましょう。また、重要事項説明書や売買契約書の内容についても、不明な点があれば遠慮なく質問することが大切です。

ローンを利用する場合は、金融機関での手続きも並行して進める必要があります。必要書類の準備や審査には時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

契約締結後は、登記手続きや各種保険の加入、管理会社との契約なども行う必要があります。これらの手続きについても、不動産会社や司法書士などの専門家のサポートを受けながら確実に進めましょう。

不動産投資の相談は信頼できる専門家へ

不動産投資は複雑な要素が多く絡む投資手法のため、専門家のアドバイスを受けることが大切です。特に初心者の場合は、経験豊富な専門家の知識や経験を活用することで、リスクを抑えながら効率的に投資を進められるでしょう。

相談すべき専門家としては、不動産投資に詳しいファイナンシャルプランナーや税理士、不動産会社の投資コンサルタントなどが挙げられます。それぞれ専門分野が異なるため、相談内容に応じて適切な専門家を選ぶことが重要です。

また、不動産クラウドファンディングなどの比較的新しい投資手法については、その分野に特化した運営会社に直接相談することも有効です。運営会社では投資家向けのセミナーや個別相談会を開催していることも多く、基礎知識から具体的な投資方法まで幅広く学ぶことができます。

専門家に相談する際は、自分の投資目的や資金状況、リスク許容度などを正直に伝えることが重要です。正確な情報を提供することで、自分にとって適切なアドバイスを受けることができます。

まとめ

不動産投資は、適切な知識と準備があれば、安定した収益を得られる魅力的な投資手法です。区分マンション投資や不動産クラウドファンディングなどさまざまな選択肢があり、自分の資金状況や投資目的に合った方法を選ぶことができます。

不動産投資は「不労所得」というイメージもありますが、実際には継続的な学習と適切な管理が必要な「事業」です。手間と労力はある程度かかるものの、正しく取り組めば、長期的な資産形成や安定した収入源の確保に大きく貢献してくれるはずです。

特に不動産クラウドファンディングは、少額から始められ、専門知識がなくても参加できます。実物不動産への投資と比べてリスクも抑えられるため、「まずはお試し感覚で始めてみたい」という方は、不動産クラウドファンディングを検討してみてはいかがでしょうか。

不動産投資に関するよくある質問

よくある質問 Q&A
不動産投資を始めるにはどんな準備が必要ですか?

まず自己資金・投資目的を明確にし、信頼できる不動産会社に相談するのがおすすめです。エリア選定や物件種別の比較も大切です

新築と中古、どちらがいいの?

新築は最新設備と耐用年数の長さが魅力ですが、中古は初期費用を抑えやすい傾向にあります。物件が立地するエリアや将来性も重視しましょう

必要な自己資金はどのくらい?

物件価格の20〜30%が理想と言われています。住宅ローンと違い家賃収入を返済に充てることができるものの、手元資金は多めが安心です

リスクにはどんなものがある?

代表的なリスクは空室・家賃下落・災害・修繕費・金利上昇などです。なるべく分散投資やエリア・物件選びでリスクヘッジしましょう

穴吹興産株式会社  不動産ソリューション事業部
アセットマネジメントグループ課長  穴吹 章彦

【資格】
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター

【経歴】
ソリューション事業部の業務に7年従事し、投資用不動産のアセットマネジメント業務を経験。現在は不動産特定共同事業におけるファンドの組成業務に従事し、投資家との契約業務全般を担当。不動産クラウドファンディングの仕組みや専門用語を解説しながら、情報発信を行っている。

 

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