不動産投資に伴うリスクとは?リスクヘッジの方法を徹底解説

不動産投資におけるリスクのバナー
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不動産投資には、さまざまなリスクが伴います。空室リスクや賃料下落リスクなどが代表的ですが、その他にも収益に影響するリスクが存在します。

リスクをゼロにすることはできないため、不動産投資家はどのようにリスクヘッジをするかが重要です。今回は、不動産投資にまつわるリスクや、具体的なリスクヘッジの方法などを解説します。

この記事を読むとわかること

・不動産投資に伴う9つのリスクと対策方法
・投資家としての重要な3つの心構え
・リスクを抑えた不動産投資

目次

不動産投資にまつわるリスクとその対策

不動産投資は、安定した家賃収入や資産価値の向上といったメリットがある一方で、リスクもあります。しかし、それぞれのリスクには有効な対策が存在します。ここでは代表的な9つのリスクと、その具体的な対策を見ていきましょう。

 空室リスク

不動産投資の最大の魅力は、家賃収入によるインカムゲインです。しかし、入居者がいなければ、その収入はゼロになってしまいます。

特に、ワンルームなど単身者向け物件では、入退去の頻度が高く空室期間が長引くと、キャッシュフローに大きなダメージを与えます。

対策
立地選び

駅から徒歩10分圏内、スーパーやコンビニが近いなど、生活利便性の高い場所を選びましょう。また、大学や企業のキャンパス、再開発エリアなど、将来的な人口流入が見込める「賃貸需要の底堅いエリア」を見極めることが重要です。

対策
適正賃料

周辺の類似物件の家賃相場をリサーチし、競争力のある価格を設定します。相場より高すぎれば入居者は決まらず、安すぎれば収益性が低下します。

対策
保証会社活用

管理会社に物件を貸し出し、一定の賃料保証を受ける「サブリース契約」や、滞納時に家賃を保証してくれる「家賃保証会社」の利用も有効な対策です。

賃料下落リスク

建物は築年数が経つにつれて老朽化が進み、それに応じて家賃も徐々に下がっていくのが一般的です。また、近隣に新しい競合物件が建設されると、相対的に所有物件の魅力が下がり、家賃を下げざるを得ない状況に陥ることもあります。

対策
長期的に価値を維持できる物件を選ぶ

時代に左右されないデザイン、しっかりとした構造、行き届いた管理がされている物件は、築年数が経っても価値が落ちにくい傾向にあります。

対策
リフォーム・リノベーションによるバリューアップ戦略

定期的なメンテナンスはもちろん、時代や入居者のニーズに合わせて内装や設備をリフォーム・リノベーションすることで、物件の魅力を維持・向上させ、賃料下落を防ぎます。

入居者リスク

入居者によっては、家賃滞納や近隣とのトラブルなどの問題が発生することがあります。こうしたリスクは、キャッシュフローに直接的な打撃を与え、精神的なストレスにもなりかねません。

対策
入居審査の徹底

申込者の収入、勤務先、連帯保証人の有無などを厳しく審査し、支払い能力や信頼性を見極めます。

※この審査は、管理会社に任せるのが一般的です。

対策
保証会社

家賃保証会社を活用すれば、家賃滞納への備えだけでなく、退去時の原状回復費用まで保証対象とするプランもあります。

対策
管理会社の選定

入居者からのクレーム対応やトラブル解決の実績が豊富な管理会社を選ぶことで、オーナーの負担を大幅に軽減できます。

自然災害リスク

地震、台風、水害、土砂災害など、自然災害によって建物が損壊・倒壊すれば、修繕に多額の費用がかかるだけでなく、家賃収入も途絶えてしまいます。

対策
ハザードマップ確認

物件購入前に、必ず自治体が公表しているハザードマップを確認しましょう。浸水想定区域や土砂災害警戒区域などを避け、災害リスクの低い立地を選ぶことが基本です。

対策
保険加入

万が一の事態に備え、火災保険への加入は必須です。地震による損害は火災保険ではカバーされないため、地震保険もセットで加入するのがおすすめです。

物件・設備リスク

経年による配管・外壁などの劣化が進むと、修繕が必要となり、想定外の出費が生じます。また、メンテナンスを怠ると入居者満足度の低下にもつながります。

対策
修繕計画と予算

購入時に、将来必要となる可能性のある修繕項目と時期、概算費用を整理した「長期修繕計画」を作成しておきましょう。また、計画に基づき、毎月の家賃収入から計画的に修繕費用を積み立てておくことが重要です。

対策
管理会社との連携

定期的な建物点検を管理会社に依頼し、大規模な修繕が必要になる前に、軽微なメンテナンスで対応していくことがコストを抑えるコツです。

金利上昇リスク

不動産投資の多くは、金融機関からのローンを利用します。特に「変動金利」でローンを組んだ場合、将来的に市場金利が上昇すると、毎月の返済額が増加し、収益を圧迫する可能性があります。

対策
借入額の調整

自己資金を多く投入し、借入額を抑えることで、金利上昇の影響を小さくできます。

対策
固定金利の活用

返済期間中の金利が変わらない「固定金利」を選択すれば、金利上昇リスクを完全に回避できます。一般的に変動金利より金利は高めですが、安心感を得られます。

また、資金に余裕ができた際に「繰り上げ返済」を行い、ローン残高を減らしておくことも有効な対策です。

流動性リスク

不動産は、株式や投資信託と異なり、売りたいと思った時にすぐに売却して現金化できるとは限りません。買い手が見つかるまでに数ヶ月以上かかることも珍しくなく、これを「流動性リスク」と呼びます。

対策
出口戦略の設計

「何年後に、いくらで、どんな人に売るのか」という売却(出口)のシナリオを購入時に描いておくことが重要です。

対策
流通性の高いエリア選定

やはり重要になるのが「立地」です。都心部や主要駅の近くなど、常に需要があり、買い手がつきやすい「資産価値の高い」物件を選ぶことが、将来的なリスクを抑えるうえで最も有効な手段となります。

管理・運営リスク

入居者募集、家賃回収、クレーム対応、建物の維持管理など、不動産投資には煩雑な管理業務が伴います。これらの業務を委託する管理会社の質によって、空室率や運営コストが大きく変わり、結果的に収益に差が出ます。

対策
信頼できる管理会社との契約

管理手数料の安さだけで選ぶのは危険です。管理実績、入居率の高さ、担当者の対応力などを総合的に比較し、信頼できるパートナーを選びましょう。

対策
業務の委託化

専門知識が必要な管理業務は、プロである管理会社に任せるのが賢明です。オーナーは最終的な意思決定に集中することで、効率的な経営が可能になります。

市場リスク

景気の悪化や、日本の大きな課題である人口減少は、不動産市場全体に影響を与え、不動産価格や家賃水準の下落につながる可能性があります。

対策
分散投資

複数のエリア(例:東京と大阪)や、異なる物件タイプ(例:ワンルームとファミリータイプ)に投資を分散させることで、特定の市場の悪化による影響を緩和できます。

対策
短中期での回収計画

短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を考えることが大切です。人口が減少する中でも、需要が集中する都心部の価値は維持されやすいと考えられます。

不動産投資のリスクを防ぐために知っておきたい3つの考え方

不動産投資のリスクは、事前に正しい知識をつけ、しっかりと準備を整えることで、ある程度抑えることができます。しかし、完全にゼロにすることはできません。だからこそ、投資を始める前に「どのような考え方でリスクと向き合うか」が重要になります。ここでは、不動産投資を安全に行うために欠かせない3つの視点をご紹介します。

投資目的を明確にする(短期収益?長期保有?)

最初に確認すべきなのは、「自分がなぜ不動産投資をしたいのか」という目的です。

たとえば、以下のように目的によって投資戦略はまったく異なります。

●短期的に利益を狙いたい(例:1〜3年で出口を設定)

高利回り物件や再販目的のリノベーション投資などが選択肢になります。

●老後の備えとして安定収入を得たい(例:10年以上保有)

賃貸需要の安定したエリアでの区分マンションや、資産価値が維持しやすい都市部物件などが適しています。

目的が曖昧なまま物件を選んでしまうと、運用途中で方向性を見失い、結果としてリスクが高まることになりかねません。

「資産形成」「節税」「インフレ対策」など、自分の優先順位を明確にし、その目的に合った投資スタイルを選ぶことが、最初のリスク回避策となります。

リスクを完全には「なくせない」ことを理解する

どんな投資にもリスクは付き物です。不動産投資においても、ここまで見てきたリスクを完全にゼロにすることは不可能です。重要なのは、どんなリスクがあるのかを知り、「自分はどこまで許容できるか」を考えておくことです。リスクをコントロール可能な状態に保つことが、的確で冷静な意思決定につながります。

感情でなく「数字」で判断する視点を持つ

「この物件、何となく良さそう」といった感情的な判断は失敗のもとです。

たとえば以下のような数字が、投資判断に欠かせない要素です。

  • 表面利回り・実質利回り
  • ローン返済比率(返済額 ÷ 賃料収入)
  • 空室率(地域別・物件別)
  • 管理費・修繕積立金の割合
  • 想定保有年数における収支シミュレーション

これらの客観的な「数字」に基づいて、投資の可否を冷静に判断する視点を持ちましょう!

リスクを抑えた不動産投資は「不動産クラウドファンディング」

「いきなり一棟や一部屋を持つのはハードルが高い」「もっと少額からリスクを抑えて始めたい」

そんな方にとって、いま注目されているのが「不動産クラウドファンディング」です。

これまで不動産投資といえば、数千万円のローンを組み、自ら物件を所有・管理するスタイルが主流でした。しかし不動産クラウドファンディングは、少額で始められ、管理の手間もない新しい投資のかたちとして、安全志向の投資家層から支持を集めています。

不動産クラウドファンディングとは

インターネットを通じて事業者が多くの投資家から資金を集め、その資金で一つの不動産を購入・運用する仕組みです。投資家は、数千万円もするような優良物件の「共同オーナー」の一人となり、そこから得られる家賃収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を、出資額に応じて分配金として受け取ることができます。

特徴

  • 投資額は1~10万円と少額から可能
  • 運用期間は数か月~数年と幅広くある
  • 物件の管理・運用がすべて事業者が行う

ただし、良い点ばかりではありません。多くの投資家で利益を分け合うため、自分で物件を所有する場合に比べて大きなリターンは狙いにくい傾向にあります。また、株式などと同様に元本が保証されているわけではなく、経済状況の悪化などにより不動産価値が下落すれば、元本割れを起こす可能性もゼロではありません。

とはいえ、専門家が厳選した物件に少額で分散投資でき、運用の手間もかからないため、リスクを抑えながら不動産投資の経験を積みたいという方にとって、非常に優れた「入門編」と言えるでしょう。

まとめ

不動産投資には、空室、賃料下落、災害など、確かに多くのリスクが存在します。しかし、それは株式や投資信託など、どんな資産運用にも共通することです。

そこで重要なのは、「リスクの正体を知り、備えることで、安心して運用できる状態をつくること」です。

リスクを恐れて何もしないままでは、資産は増えません。リスクを正しく理解し、その上で信頼できるパートナー(管理会社や専門家)を見つけ、感情ではなく数字に基づいた冷静な判断を心がけること、それができれば、不動産投資は将来に向けて時間のゆとりと経済的な恩恵をもたらしてくれる、心強い選択肢となるはずです。

そして、「リスクを抑えながら、まずは小さく不動産投資を始めてみたい」と思っている方へは、不動産クラウドファンディングは最適な選択肢です。

リスクを恐れて一歩を踏み出せないままでいるよりも、リスクを理解し、備えたうえで少しずつ行動を起こすことこそが、将来の資産形成につながる最初の一歩です。

穴吹興産株式会社が運営するJointo αは、数多くの不動産クラウドファンディングの商品を提供しています。上場企業が運営していることもあり、投資家の皆様からは安心して投資できると好評をいただいております。 不動産クラウドファンディングを検討中の方は、ぜひJointo αのHPをご覧ください。

よくある質問

よくある質問 Q&A
不動産投資にはどんなリスクがありますか?

空室リスクや家賃下落リスク、物件の老朽化、災害リスク、金利上昇リスク、そして流動性リスク(すぐに売却できない)などが代表的です。

リスクを完全になくすことはできますか?

完全にゼロにすることはできません。ただし、複数物件への分散投資、立地選定、長期的な資産価値のある物件を選ぶなどで軽減可能です。

初心者でもできるリスクヘッジ方法はありますか?

少額から始められる不動産クラウドファンディングやREITなどを活用すること。専門知識がなくても分散効果を得られるため、初心者向きです。

災害リスクに対してはどのような備えが有効ですか?

耐震性の高い建物を選ぶ、防災インフラが整ったエリアを選ぶ、火災保険・地震保険に加入する、といった方法があります。

金利上昇による返済負担の増加にはどう対処すべきですか?

変動金利ではなく固定金利ローンを選ぶ、繰上げ返済で借入額を減らす、返済余力を常に残しておく、などの対策があります。

【監修】

穴吹興産株式会社  不動産ソリューション事業部
アセットマネジメントグループ課長  穴吹 章彦

【資格】
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター

【経歴】
ソリューション事業部の業務に7年従事し、投資用不動産のアセットマネジメント業務を経験。現在は不動産特定共同事業におけるファンドの組成業務に従事し、投資家との契約業務全般を担当。不動産クラウドファンディングの仕組みや専門用語を解説しながら、情報発信を行っている。

 

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