10万円からはじめる不動産投資 10万円からはじめる不動産投資

不動産クラウドファンディングの投資タイプについて徹底解説

キャピタルゲイン型・インカムゲイン型・ハイブリッド型という不動産クラウドファンディングの用語を解説

「不動産クラウドファンディングって、どれも同じじゃないの?」
「少し興味はあるけれど、種類が多すぎて、正直どれを選べばいいのか分からない…」

そんなふうに感じている方は、決して少なくありません。

近年では、1万円程度から始められる手軽さから、「不動産クラウドファンディング」が新しい資産形成の選択肢として注目を集めています。しかし、いざサービスのサイトを覗いてみると、「キャピタルゲイン型」や「インカムゲイン型」など、聞き慣れない言葉がずらり。戸惑ってしまうのも無理はありません。

実は、不動産クラウドファンディングは一律ではなく、「どのように利益を得るのか」によって投資タイプが大きく異なります。そしてこの「投資タイプ」こそ、リターンやリスクの性質を左右する最も重要なポイントの一つなのです。

そこで本記事では、「キャピタルゲイン型」「インカムゲイン型」「ハイブリッド型」という3つの代表的な投資タイプについて、初心者の方にも分かりやすく、徹底的に解説します。

この記事から分かること
  • 3つの投資タイプの特徴や違い
  • 自分にあった投資タイプはどれか
目次

不動産クラウドファンディングにおける投資タイプとは?

虫眼鏡とはてなマークとPC

投資タイプとは、簡単に言えば「どのようにして利益を得るか(=お金を増やすか)」という収益の仕組みによる分類です。

不動産クラウドファンディングは、投資家から集めた資金をもとに不動産を取得・運用し、そこから得られる利益を投資家に分配します。

このとき、「不動産からどのような形で利益を生み出すか」によって、投資タイプは次の3つに分かれます。

キャピタルゲイン型

不動産を将来的に売却し、その売却益(値上がり益)を狙うタイプ

インカムゲイン型

運用期間中の賃料収入(家賃収入)を定期的に得るタイプ

ハイブリッド型

家賃収入と売却益の両方を組み合わせて収益を得るタイプ

それぞれのタイプで「収益の出方」や「リスクの性質」「リターンのタイミング」が大きく異なるため、まずはこの3つの違いをしっかり押さえておくことが、不動産クラウドファンディングで失敗しないための第一歩となります。

では、それぞれのタイプについて詳しく解説していきます。

キャピタルゲイン型とは?

キャピタルゲイン型の不動産クラウドファンディングとは、投資家への分配金がキャピタルゲインを原資としたファンドのことです。

キャピタルゲイン…不動産の売却によって得られる売買差益

例えば、1億円で購入した不動産を1億3000万円で売却した場合、差額である3000万円がキャピタルゲインになり、投資家へ分配されるという仕組みです。

そのため、物件の購入時点での価格設定や、将来的な不動産市場の動向が非常に重要なのです。

メリット

キャピタルゲイン型の最大のメリットは、一度の売却で大きな利益を得る可能性がある点です。市場の成長期や物件の選定が適切であれば、非常に高いリターンが期待できます。少ない元手であっても、利益が増える可能性があるのがこのキャピタルゲイン型の特徴です。

デメリット

デメリットとしては、損失が発生する可能性が高くなる点です。不動産を購入・売却する時期を誤ったり、不動産市場が予期せぬ低迷に陥ったりした場合、売却価格が期待を下回ってしまうことも考えられます。

また、中途解約ができないケースが多く、投資期間終了まで資金用途が制限されてしまいます。

このような方におすすめ◎

・不動産市場の動向に関心が高く、市場の成長を見越して投資をしたい方

・リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい方

インカムゲイン型とは?

インカムゲイン型の不動産クラウドファンディングは、投資家への分配金がインカムゲインを原資としたファンドのことです。

インカムゲイン…運用している不動産物件から得られる定期的な収入(賃貸収入利息収入)

主に、オフィスビルや商業施設、居住用物件などが対象となり、それらの賃貸借契約に基づいて定期的な家賃収入が分配金の原資となります。また、一部の不動産クラウドファンディングでは、利息収入が配当として分配されることもあります。

メリット

インカムゲイン型のメリットは、安定した収益が期待できる点です。毎月の家賃収入等を原資としている為、中長期的な運用収益の見通しを立てることが可能であり、家賃収入が市場の大きな変動に左右されにくい点も、投資家にとっては安心できる要素と考えられます。また、ファンドによっては期中に配当を行っており、定期的に分配金を得ることも可能です。

デメリット

デメリットとしては、キャピタルゲイン型に比べてリターンが低くなる可能性がある点です。また、賃貸収入に依存するため、テナントの退去や賃料の減少が発生した場合、分配金が減少するリスクも考えられます。

このような方におすすめ◎

・リスクを抑えてリターンを得たい方

・リタイアメント後の生活資金を補う目的で投資を行いたい方

ハイブリッド型とは?

ハイブリッド型の不動産クラウドファンディングは、キャピタルゲイン型とインカムゲイン型の両方の特性を組み合わせた投資手法です。このタイプの投資では、物件の保有期間中に賃貸収入などのインカムゲインを得つつ、最終的には物件の売却によってキャピタルゲインを狙うことができます。つまり、定期的な収益を得ながら、最終的な売却益で追加の利益を得ることが目指されます。

メリット

ハイブリッド型のメリットは、安定した収益を得ながら、資産価値の上昇を両方狙える点です。つまり、キャピタルゲイン型とインカムゲイン型の両方のメリットを得られるのです。また、複数の収益源を持つことで、投資リスクを分散させることが可能です。市場環境や経済状況に応じて、投資戦略を柔軟に調整できる点も、ハイブリッド型の強みです。

デメリット

ハイブリッド型の投資もリスクがないわけではありません。例えば、賃貸収入が予想よりも低かった場合や、物件の売却価格が期待を下回った場合は、期待したリターンが得られない可能性があります。また、インカムゲインとキャピタルゲインのバランスを取るため、資金の拘束期間が長くなる場合もあります。

このような方におすすめ◎

・リスクを分散しつつ、安定した収入と資産価値の上昇を同時に狙いたい方

・投資の柔軟性を重視する方

・市場環境に応じた戦略を取ることができる方

3つのタイプの違いを比較

みんなの疑問

ここまで、キャピタルゲイン型・インカムゲイン型・ハイブリッド型の3タイプについて、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく見てきました。

ただ、いざ選ぶ段階になると「結局どれが自分に合っているのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、ここでは3つの投資タイプを収益構造やリターンの時期、安定性などの観点から比較表にまとめました。

3つの投資タイプ比較表

キャピタルゲイン型インカムゲイン型ハイブリッド型
収益の得方売却益賃料収入売却益+賃料収入
リターンのタイミング満期時に一括定期的または満期時に分配一部定期分配+満期時に売却益
収益の安定性相場の影響を受けやすい安定しやすいタイプにより異なる
利回りの傾向高めだが変動あり比較的低めだが安定中程度が多い

※上記はあくまで一般的な傾向をまとめたものですので、詳しくはファンド詳細をご確認ください。

このように、不動産クラウドファンディングの投資タイプごとに、収益の得方やリスク・リターンの特性には大きな違いがあります。だからこそ、自分にとってどのタイプが最適かを見極めることが、失敗しないための第一歩です。

次に、ライフスタイルや投資目的に応じて、どの投資タイプが向いているかを具体的に解説していきます。

どの投資タイプを選べばいいの?

投資家は、自身の投資目的に応じて、最適な投資タイプを選択することが必要です。

キャピタルゲイン型がおすすめの方
  • 長期的な資産成長を狙う方
  • 元本割れリスクを理解した上で、大きいリターンを狙いたい方
  • 株式投資やREITなど、価格変動のある資産への投資経験がある方

キャピタルゲイン型は、不動産の値上がりによる売却益が主な収益源です。そのため、市況の変動に大きく影響され、利益が大きくなる可能性がある一方で、想定よりも下振れするリスクも伴います。
「元本割れの可能性をしっかり理解している」「中長期での運用に耐えられる」「多少の価格変動には動じない」といった投資マインドを持っている方に適しており、リスクとリターンのバランスを冷静に受け止められる人向けです。

インカムゲイン型がおすすめの方
  • 安定収入を重視する方
  • 初めて不動産投資に挑戦する方や、投資経験が浅い方
  • 極力リスクを抑えたい方

インカムゲイン型は、物件の運用中に得られる賃料収入を原資として分配されるため、比較的安定した収益が期待できるのが特徴です。
そのぶん利回りはやや控えめな傾向がありますが、元本の大きな変動が起こりにくいため、「投資で資産を大きく増やす」というよりは「毎月の生活費の補填」や「ローリスクで資産を守りたい」といった目的に向いています。

ハイブリット型がおすすめの方
  • 家賃収入の安定性も、売却益の成果もどちらも取り入れたい方
  • リスクを抑えつつ、ある程度のリターンを狙いたい方
  • 中期的な視点で、総合的な資産形成を考えている方

ハイブリッド型は、売却益と賃料収入の両方から収益を得ることを目指すバランス型の投資タイプです。運用期間中に家賃収入などの安定的な配当を受け取りつつ、運用終了時には売却益も得られる可能性があります。
ただしファンドによって、収益の比重(インカム寄りか、キャピタル寄りか)に違いがあるため、「ハイブリッドだから安心」と思い込まず、分配の構造をよく確認することが大切です。
「投資のリスクはある程度抑えたいが、インカム型では物足りない」と感じる方にとって、バランスの取れた選択肢となるでしょう。中長期で安定と成長の両方を求めたい方にぴったりの投資タイプです。

 ※あくまでも一例ですので、必ずしも適しているとは限りません。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分にあった投資タイプを選びましょう。

自分に合った投資タイプを見つけるためには、十分な調査と自己分析が必要です。リスクを取って大きなリターンを狙いたいのか、安定した収入を求めるのか、それともその両方をバランスよく取り入れたいのか、投資家自身の目標に応じた選択が、成功への第一歩となります。

3つの投資タイプを理解して始めよう!不動産クラウドファンディング!

今回は、不動産クラウドファンディングの「投資タイプ」について、3つの型の特徴から選び方のポイントまで、解説してきました。

不動産クラウドファンディングには、「キャピタルゲイン型」「インカムゲイン型」「ハイブリッド型」という3つの投資タイプがあります。
それぞれ、収益の得方・リスクの大きさ・運用期間などが異なり、どのタイプを選ぶかによって投資成果は大きく変わります。

投資先を選ぶ際に大切なのは、「どれが人気か」ではなく、「自分に合っているかどうか」です。
安定収入を重視するならインカムゲイン型、大きなリターンを狙うならキャピタルゲイン型、バランスを取りたいならハイブリッド型と、自身の目的やスタンスに合わせて投資タイプを選ぶことが、納得のいく投資につながります。

まずは、自分がどんな運用を望んでいるのかを見つめ直し、その上で最適な投資タイプを選んでいきましょう。

よくある質問(Q&A)

よくある質問 Q&A
不動産クラウドファンディングの3つの投資タイプの違いは何ですか?

キャピタルゲイン型は不動産売却益を、インカムゲイン型は賃貸収入などの安定収益を、ハイブリッド型は両方を組み合わせて投資家に利益を分配する仕組みです。

どの投資タイプが自分に合っていますか?

大きなリターンを狙いたい方はキャピタルゲイン型、安定収入を重視する方はインカムゲイン型、両方をバランスよく取り入れたい方はハイブリッド型がおすすめです。

投資期間やリスクはどのように違いますか?

キャピタルゲイン型は投資期間が長めでリスクも大きい傾向があります。インカムゲイン型は比較的安定した収益が見込めますが、賃貸収入の減少リスクがあります。ハイブリッド型は両方の特徴を備えています。

投資を始めるにはどうすればよいですか?

まずは自身の投資目的やリスク許容度を確認し、各投資タイプの特徴を理解した上で、信頼できるプラットフォームに無料会員登録することをおすすめします。

【監修】

穴吹興産株式会社  不動産ソリューション事業部
アセットマネジメントグループ課長  穴吹 章彦

【資格】
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター

【経歴】
ソリューション事業部の業務に7年従事し、投資用不動産のアセットマネジメント業務を経験。現在は不動産特定共同事業におけるファンドの組成業務に従事し、投資家との契約業務全般を担当。不動産クラウドファンディングの仕組みや専門用語を解説しながら、情報発信を行っている。

 

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