不動産特定共同事業法、第一号・第二号・第三号・第四号事業とは?- 不動産クラウドファンディング用語解説 –

不動産特定共同事業法と第一~四号事業という不動産クラウドファンディングの用語を解説

「不動産投資に興味はあるけれど、リスクや手間が心配でなかなか踏み出せない…」という悩みを抱える方々から注目を集めているのが「不動産クラウドファンディング」という投資手法です。その不動産クラウドファンディングを支えているのが「不動産特定共同事業法」。さらに、この法律をもとに分類される「第一号事業」から「第四号事業」は、それぞれ異なる特徴をもちます。本記事では、不動産特定共同事業法の基本的な仕組みから、第一~四号事業の違いや特徴について、丁寧に説明していきます。

目次

不動産特定共同事業法とは

まず、不動産クラウドファンディングを支えている法律「不動産特定共同事業法」についてご説明します。

投資家を守るための法律 「不動産特定共同事業法」

不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業を行う際のルールを定めた法律です。不動産特定共同事業の健全な発展と、投資家の保護を目的として、1995年に施行されました。

不動産特定共同事業とは…
 ①事業者が投資家から集めた資金で不動産取引を行い、収益を投資家に分配する事業
 ②不動産特定共同事業契約の締結の代理または媒介を行う事業

例えば、「小口化した不動産投資」「不動産クラウドファンディング」など

この法律により、不動産特定共同事業を開始するためには決められた条件をクリアし、国土交通大臣または都道府県知事の登録許可を得ることが必要になりました。条件を満たさない会社はそもそも不動産特定共同事業を開始することができないということです。

近年、不動産クラウドファンディングの市場規模は拡大しています。それに伴い、不動産クラウドファンディングの運用会社も増え続けており、現在(2024年10月時点)では100社を超えるほどになりました。投資家が安心して投資活動を行うことができ、また不動産クラウドファンディング業界が健全に発展していくためにも、この不動産特定共同事業法は重要な役割を担っているのです。

不動産特定共同事業法を略して「不特法」や「FTK法」とよばれることもあります。

第一号・第二号・第三号・第四号事業の内容

不動産特定共同事業を行うためには、不動産特定共同事業法で定められた条件をクリアし、国土交通大臣または都道府県知事から登録許可を得る必要があります。登録条件は、第一~四号事業という4つのパターンに枠組みが分けられています。この枠組みによって行うことのできる業務内容や登録許可の条件など様々な点で異なりますので詳しく説明していきます。

第一号事業・第二号事業とは

第一号事業とは、事業者(不動産会社)が投資家から集めた資金で不動産取引(売買や家賃契約等)を行い、収益を投資家に分配する事業のことです。対象物件は、事業者が保持していることになります。

第二号事業とは、不動産特定共同事業契約の締結の代理または媒介を行う事業のことです。第一号事業者の代わりに投資家の募集・勧誘を行います。第一号事業者と同じ不動産会社が取得しているケースが多くあります。

第三号事業・第四号事業とは

第三号事業とは、SPC(特別目的会社)から委託を受けて行う不動産特定共同事業のことです。SPCが介在する以外は第一号事業者と同様の業務を行います。

第四号事業とは、SPC(特別目的会社)からの委託を受けて、不動産特定共同事業契約の締結の代理または媒介を行う事業のことです。第二号事業者と同様の業務を行います。

登録許可の条件

宅建業の免許
良好な財産的基礎、構成かつ適確に事業を遂行できる人的構成
基準を満たす契約約款
事務所ごとの業務管理者配置
資本金

資本金
第一号事業1億円
第二号事業1,000万円
第三号事業5,000万円
第四号事業1,000万円

投資家にとってのメリット

各事業の業務内容の違いについて説明してきましたが、投資家にとっての違いはどのようなものがあるのでしょうか。投資家にとってのメリットに注目して説明していきます。

第一号事業・第二号事業のメリット

運用期間が短期のものが多い

第一号事業は、自社完結型のものがほとんどです。第一号事業者が自ら対象不動産を保持し、投資家と個々に契約を結びます。投資家への募集・勧誘を、第二号事業者に委託する場合もありますが、それ以外の業務はすべて第一号事業者が担います。ファンドの概要も第一号事業者が決めるため、資金の回転率を上げるためにも、運用期間が数カ月~と短期になることが多いのが特徴です。不動産クラウドファンディングでは、運用終了まで資金が拘束されるのが一般的です。そのため、投資家にとっては、短期間で運用が終了し、比較的早くリターンを得られる第一号事業の特徴は、大きなメリットといえるでしょう。

第三号事業・第四号事業のメリット

倒産危機の隔離

第三号事業は、SPC(特別目的会社)が対象物件を保持します。ファンドの組成・運用を行うのは、SPCから業務委託を受けた第三号事業者となります。もしもクラウドファンディング事業者が倒産した場合、第一号事業では対象物件が債権者に差し押さえられてしまう可能性があります。それに対し、第三号事業では事業者が倒産しても、対象物件はSPCが所有しているため、債権回収の対象にならないのです。この点は、投資家の資産である対象物件が守られるという大きなメリットになります。

借入金があるため、対象物件の規模が大きいものが多い

第三号事業は、ファンド組成・運用のための資金を、銀行から借り入れることができます。つまり、借入金・匿名組合出資(優先・劣後)を組み合わせた資金でファンド組成・運用を行うことができます。匿名組合出資のみの資金で運用する第一号事業に比べ、より大規模な物件を扱うことができるということです。対象物件の規模が大きいと、その分得られる全体のリターンを大きくすることができます。

まとめ

第一・二号事業と第三・四号事業では、SPC(特別事業者)の存在が大きな違いです。投資家にとっても、どの事業を扱っているかでメリットが異なります。現在では、不動産クラウドファンディングを行っている会社のほとんどが第一・二号事業を扱っています。しかし、倒産危機の隔離や対象物件の規模の利点を考え、第三・四事業を扱う会社も出てきました。

穴吹興産株式会社は、第一~四号事業全ての許可を取得しており、第三号事業のファンドも扱っております。ファンド歴が長く、当初から不動産クラウドファンディング業界を支えてきている企業の一つ「Jointo α」は、過去一度も元本割れ・配当遅延がございません。ファンドの詳細については下記のリンクからぜひご覧ください。

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