不動産クラウドファンディングには、キャピタルゲイン型、インカムゲイン型、ハイブリッド型という3つの主要な投資タイプが存在します。これらのタイプは、それぞれ異なる投資戦略やリスク・リターンの特性を持っており、投資家の目的やリスク許容度に応じて選択していくことが必要です。今回は、これら3つの投資タイプについて詳しく解説していきます。
キャピタルゲイン型とは?
キャピタルゲイン型の不動産クラウドファンディングとは、投資家への分配金がキャピタルゲインを原資としたファンドのことです。
例えば、1億円で購入した不動産を1億3000万円で売却した場合、差額である3000万円がキャピタルゲインになり、投資家へ分配されるという仕組みです。
そのため、物件の購入時点での価格設定や、将来的な不動産市場の動向が非常に重要なのです。
メリット
キャピタルゲイン型の最大のメリットは、一度の売却で大きな利益を得る可能性がある点です。市場の成長期や物件の選定が適切であれば、非常に高いリターンが期待できます。少ない元手であっても、利益が増える可能性があるのがこのキャピタルゲイン型の特徴です。
デメリットとしては、損失が発生する可能性が高くなる点です。不動産を購入・売却する時期を誤ったり、不動産市場が予期せぬ低迷に陥ったりした場合、売却価格が期待を下回ってしまうことも考えられます。
また、中途解約ができないケースが多く、投資期間終了まで資金用途が制限されてしまいます。
・不動産市場の動向に関心が高く、市場の成長を見越して投資をしたい方
・リスクを取ってでも大きなリターンを狙いたい方
インカムゲイン型とは?
インカムゲイン型の不動産クラウドファンディングは、投資家への分配金がインカムゲインを原資としたファンドのことです。
主に、オフィスビルや商業施設、居住用物件などが対象となり、それらの賃貸借契約に基づいて定期的な家賃収入が分配金の原資となります。また、一部の不動産クラウドファンディングでは、利息収入が配当として分配されることもあります。
メリット
インカムゲイン型のメリットは、安定した収益が期待できる点です。毎月の家賃収入等を原資としている為、中長期的な運用収益の見通しを立てることが可能であり、家賃収入が市場の大きな変動に左右されにくい点も、投資家にとっては安心できる要素と考えられます。また、ファンドによっては期中に配当を行っており、定期的に分配金を得ることも可能です。
デメリットとしては、キャピタルゲイン型に比べてリターンが低くなる可能性がある点です。また、賃貸収入に依存するため、テナントの退去や賃料の減少が発生した場合、分配金が減少するリスクも考えられます。
・リスクを抑えてリターンを得たい方
・リタイアメント後の生活資金を補う目的で投資を行いたい方
ハイブリッド型とは?
ハイブリッド型の不動産クラウドファンディングは、キャピタルゲイン型とインカムゲイン型の両方の特性を組み合わせた投資手法です。このタイプの投資では、物件の保有期間中に賃貸収入などのインカムゲインを得つつ、最終的には物件の売却によってキャピタルゲインを狙うことができます。つまり、定期的な収益を得ながら、最終的な売却益で追加の利益を得ることが目指されます。
メリット
ハイブリッド型のメリットは、安定した収益を得ながら、資産価値の上昇を同時に狙える点です。つまり、キャピタルゲイン型とインカムゲイン型の両方のメリットを得られるのです。また、複数の収益源を持つことで、投資リスクを分散させることが可能です。市場環境や経済状況に応じて、投資戦略を柔軟に調整できる点も、ハイブリッド型の強みです。
ハイブリッド型の投資もリスクがないわけではありません。例えば、賃貸収入が予想よりも低かった場合や、物件の売却価格が期待を下回った場合は、期待したリターンが得られない可能性があります。また、インカムゲインとキャピタルゲインのバランスを取るため、資金の拘束期間が長くなる場合もあります。
・リスクを分散しつつ、安定した収入と資産価値の上昇を同時に狙いたい方
・投資の柔軟性を重視する方
・市場環境に応じた戦略を取ることができる方
どの投資タイプを選べばいいの?
投資家は、自身の投資目的に応じて、最適な投資タイプを選択することが必要です。
例えば…
長期的な資産成長を狙う場合 ・ 大きいリターンを狙いたい場合
※あくまでも一例ですので、必ずしも適しているとは限りません。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分にあった投資タイプを選びましょう。
3つの投資タイプを理解して始めよう!不動産クラウドファンディング!
キャピタルゲイン型、インカムゲイン型、ハイブリッド型の3つの投資タイプは、それぞれ異なるリスクとリターンの特性を持っています。投資家は、自身の投資目的に応じて、最適な投資タイプを選ぶことが大切です。また、市場環境や経済状況を見極め、柔軟に投資戦略をたてることも求められます。この3つの投資タイプを理解した上で、不動産クラウドファンディングに挑戦してみてはいかがでしょうか。