最近よく耳にする不動産クラウドファンディングですが、海外不動産に投資できるクラウドファンディングがあることはご存知でしょうか。実は、日本に住んでいても、海外不動産に投資が可能なのです。日本の案件よりも高利回りのものが多く、少額から投資ができることやリスクが比較的抑えられることから、注目を集めています。一方で、「海外不動産投資は難しそう」「莫大な資金が必要ではないか」「英語ができないけど大丈夫かな」という不安の声も少なくありません。そこで、本記事では海外不動産とはそもそもどういうものか、想定できるリスクと共に解説していきます。
海外不動産クラウドファンディングの概要について

不動産クラウドファンディングは、投資家から資金を募り、不動産の購入や管理・運用を行う仕組みです。これにより、不動産投資を手軽に始められるのが魅力です。海外の不動産クラウドファンディングも基本的には同じ仕組みで運営されますが、大きな違いは対象物件が海外の物件であることです。
従来の不動産投資では、高額な資金や複雑な手続きが必要でしたが、不動産クラウドファンディングでは、1口1万円からと少額で始められるケースもあり、投資家の負担を大幅に軽減しています。また、日本に住んでいながら海外不動産に投資できるため、興味はあるけれど、一歩を踏み出せない方にも魅力的な選択肢でしょう。
日本の不動産クラウドファンディングと海外の不動産クラウドファンディングのちがい
日本と海外の不動産クラウドファンディングの主な違いは、対象物件が海外である点ですが、それ以外にもいくつか異なる点があります。ここでは代表的な違いをを4つご紹介します。
①法律の違い
日本では、不動産特定共同事業法(不特法)に基づいて運営されており、投資家保護の体制が充実しています。一方、海外では、現地の法律に基づいて運営されるため、保護体制が日本ほど整っていない場合があります。
②通貨の違い
日本国内では取引が日本円で行われるため、為替リスクを気にする必要はありません。しかし、海外不動産クラウドファンディングでは、現地通貨で取引が行われるため、為替相場の変動によって利益が増減するリスクがあります。投資先の通貨や為替市場の動向を理解することが重要です。
③運営体制の違い
日本では、物件の購入・管理・運用など運営会社が一貫して行うことが一般的です。一方、海外では、運営会社が現地の不動産管理会社やパートナー企業に委託するケースが多いため、運営体制が複雑になることがあります。
④税金の違い
日本の不動産クラウドファンディングでは、日本国内で課税されるのみですが、海外不動産の場合、現地の税金(不動産税や所得税など)に加え、日本国内での課税が発生する場合があります。

海外不動産を扱う企業
海外不動産クラウドファンディングを提供する企業は、日本国内の企業と海外の企業があります。
日本の法律に基づいて運営されており、情報も日本語で提供されるため、安心して利用できます。ただし、海外不動産の取り扱い物件数が限られている点には注意が必要です。
世界中の多様な物件を扱っており、投資先の選択肢が広がる点が魅力です。一方で、英語や現地言語でのやり取りが必要になったり、法規制や情報の不透明性に不安があったりするため、慎重な判断が求められます。
海外不動産クラウドファンディングに投資するリスク

海外不動産クラウドファンディングは、高い利回りが期待できる一方で、様々なリスクが伴います。これらのリスクを事前に把握した上で投資先を選ぶことが大切です。代表的なリスクについて詳しく解説していきます。
為替リスク
海外不動産クラウドファンディングでは、現地通貨を用いる取引が一般的です。そのため、為替相場の変動が投資利益や元本に大きな影響を与える可能性があります。たとえば、投資時と比べて円高が進んだ場合、現地通貨で得た収益を日本円に換算した際、実質的な価値が目減りすることがあります。特に、長期間の運用では、為替リスクの影響が出やすいので注意が必要です。
為替市場に注視し、タイミングを見極めた上で投資を行うことが大切です。また、円建てで投資を行う不動産クラウドファンディングもあるため、為替リスクが心配な方にはおすすめです。
法規制のリスク
海外不動産クラウドファンディングでは、現地の法律に基づいて運営されるため、投資家保護の体制が日本ほど整っていない場合があります。また、投資先国の法律や規制が変更されることで、運用計画が変更されたり、利益が制限されたりする可能性も考えられます。
投資先国の法制度や規制について事前に十分な情報を収集するようにしましょう。
情報の透明性リスク
海外不動産クラウドファンディングでは、物件の詳細情報や運営会社の財務状況が十分に公開されていない場合があります。また、現地の状況を直接確認することが難しいため、不正や問題に気づきにくいリスクがあります。
信頼性の高いプラットフォームを選ぶことや運営企業の過去の実績や情報開示の内容を十分に確認しましょう。
税金リスク
海外不動産に投資する場合、現地の税金(不動産税や所得税)が課されるだけでなく、日本国内でも課税される可能性があります(二重課税)。
現地と日本の税制を正確に理解し、適切な手続きを行う必要があります。税務に関しては、専門家に相談を行うのが良いでしょう。
運営会社リスク
海外不動産クラウドファンディングでは、運営会社や現地のパートナー企業の能力や信頼性が投資結果に大きく影響します。運営会社が十分な経験や実績を持っていない場合、物件の管理や運用に問題が生じ、最悪の場合、元本割れが起こるリスクもあります。
運営会社や現地のパートナー企業の信頼性や透明性、過去の運用実績をしっかりと調査し、信頼できるプラットフォームを選ぶことが重要です。
海外不動産クラウドファンディングに投資するメリット

海外不動産クラウドファンディングにはいくつかのリスクもありますが、それを上回る魅力的なメリットがあります。
高い収益性
海外不動産は、日本国内の物件と比較して、収益性が高い場合が多いことが特徴です。特に新興国や経済成長が著しい国々では、地価の上昇や賃料収入の増加が期待できます。また、欧米の主要都市では、安定した賃貸需要があるため、長期的な収益が見込めます。市場に応じた投資先の選定が高い収益を得る上で大切です。
分散投資が可能
不動産投資では、分散投資が重要です。国内投資だけでは、為替リスクや地域経済の変動の影響を受ける可能性がありますが、海外不動産クラウドファンディングを活用すれば、地理的・経済的に分散投資が可能です。異なる市場に分散することで、リスクを軽減しつつ収益を狙うことができます。
少額から始められる
従来の海外不動産投資では、数千万円単位の資金や煩雑な手続きが必要でした。しかし、不動産クラウドファンディングでは、1口1万円からと少額から始められます。また、物件の購入や管理は運営会社や現地のパートナー企業が行うため、個人が現地に行く必要もなく、手間をかけずに投資ができます。初めての方でも気軽に挑戦しやすい点が大きな魅力です。
為替変動を利用した利益
海外不動産クラウドファンディングでは、為替の変動を活用して利益を得られるチャンスがあります。たとえば、投資時よりも円安が進行した場合、現地通貨で得た利益を日本円に換算すると、為替差益を得ることが可能です。ただし、為替リスクもあるため、為替市場の動向を注視し、適切なタイミングで投資することが重要です。
節税効果の可能性
海外不動産投資では、減価償却費を活用することで節税効果が期待できます。減価償却とは、不動産の建物部分の価値が時間とともに下がる分を経費として計上できる仕組みです。この経費を収入から差し引くことで、課税される所得これにより、収入から差し引ける金額が増え、課税される所得が少なくなります。その結果、所得税や住民税の負担を軽くすることができます。
さらに、一部の国では、不動産に関する税金が日本よりも低く設定されている場合があります。そうした国の物件に投資することで、全体的な税負担が抑えられる可能性があります。 ただし、節税効果に関しては一般的な情報だけではなく必ず税理士等の専門家に確認してから判断しましょう。
海外不動産投資のメリットを最大化するために…
これらのメリットを最大限に活用するには、投資先の選定や運営会社の信頼性をしっかり確認することが重要です。また、自身の投資目的やリスク許容度を明確にして計画的に投資を行うことが成功の鍵となります。
海外不動産クラウドファンディングの投資方法

ここまで、海外不動産クラウドファンディングのリスクやメリットについて説明してきました。では、実際に投資を始めるにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。投資手順とポイントについて解説していきます。
まずは、信頼できるプラットフォームを見つけることです。以下の点を基準に検討しましょう。
・海外不動産の取り扱いがあるか
日本国内の企業では、海外不動産を扱っている企業が多くありません。対象の地域や国が自分の投資目的にあっているか確認も必要です。
・運営会社の実績や透明性
特に投資家への情報公開や信頼性の高いプロジェクトを扱っているか確認しましょう。
・サポート体制や投資方法の詳細
投資初心者でも安心して利用できるサービス体制があるか、説明がしっかりなされているか確認しましょう。
次に、選んだプラットフォームで会員登録を行います。この際、投資家としての資格が必要になる場合があります。
登録が完了したら、投資対象となる物件を選びます。以下の点を比較するとよいでしょう。
・対象物件の国や地域
・物件の種類(住宅や商業施設、ホテルなど)
・利回りや運用期間
・想定されるリスク
投資先が決定したら、指定された方法で資金を振り込みます。振込方法は、銀行振込やオンライン決済など、様々です。
投資後は、定期的に運用状況を確認しましょう。運用終了後には、配当金や元本が指定口座に振り込まれます。
リスクとメリットを理解して、賢く海外不動産投資を始めよう!

海外不動産クラウドファンディングは、少額で始められ、高い収益性や分散投資の効果が期待できる魅力的な投資方法です。一方で、為替リスクや税金リスクなども伴うため、事前にリサーチを行い、信頼できるプラットフォームを選ぶことが重要です。
海外不動産クラウドファンディングは、少額で手軽に海外不動産に投資ができる、魅力的な投資手段ですので、ぜひ挑戦してみてください。